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長崎県大村市から続柄を「夫(未届)」と記載された住民票を受け取った同性カップルの松浦慶太さん(38)と藤山裕太郎さん(39)は28日、市内で会見し、「本当に夢の世界にいるよう。他の自治体に波及していくのではないか。同性婚などの法制化にも大きな影響を及ぼすのではないか」と喜びと期待感を口にした。
2人の会見から半時間後、今回の対応について市役所で報道各社の取材に応じた園田裕史市長。「県外の首長から『自分たちの自治体でも考えていきたい』という連絡、相談をいくつかいただいている」と反響の大きさを明かした。
県内の関係者、識者からも評価や注文が聞かれた。性的少数者の支援などに取り組む「Take it!虹」代表の儀間由里香さん(35)は「前進」と捉える。その上で「実質的な制度の枠組みが変わるわけではない。不平等を埋めていく一歩に」と求めた。
長崎大ダイバーシティ推進センターの矢内琴江副センター長は「自治体ができるレベルで一生懸命やっても限界がある」と指摘。最高裁が3月、「同性カップルも犯罪被害者給付金の支給対象」とする初判断を示したことなどを踏まえ、「国は同性カップルの権利を保障する制度を考えるべき」と訴えた。
市長の会見を会場で見守った松浦さんと藤山さん。「(同性婚などについて)広く議論されていく一歩を大村市が踏み出してくれたことは意義がある」と笑顔で前を向いた。