”宙”で音を奏でる「AR楽器」や「5次元キーボード」で戦国武将・宇喜多秀家の生涯を表現 AIとリアルな演技が融合した”時代絵巻”【岡山】

戦国武将・宇喜多直家は、備前を統一し、岡山の礎を築いたことで知られています。様々な逆境を乗り越え全国有数の大名にまでのし上がった直家。その息子の秀家は、豊臣政権の五大老になるものの、関ケ原の戦いで敗れ八丈島に流刑となりました。

そうした宇喜多家の物語を知ってもらおうと、音楽や演劇を組み合わせたステージイベントが24日、岡山市北区で開かれました。

指先の感触で音を表現「5次元キーボード」とは?

ステージの幕開け。
宇喜多秀家の数奇な生涯を表現したドラマチックな音楽を奏でたのは、5次元キーボードの日本人初の奏者で作曲家の薮井佑介さんです。

5次元キーボードとは、英国ROLI社が開発した電子楽器で、指先の感触(①押す②押し込む③揺らす④滑らす⑤離す)でさまざまな音の表現ができます。

キーボードを押し込むと深い音になり、その指を揺らすと、音も揺らぎます。また、ボード上で指を左右上下に滑らすと、その力加減やスピードに合わせ音が自在に変化してゆくのです。

もうひとつ、見慣れない楽器がありました。空中に手をかざすと、その動きに合わせて馬のいななきや風の音などさまざまな音が出る「AR楽器」。

薮井さんは、そうした5次元キーボードやAR楽器など10台以上の最先端の電子楽器を、両手両足、膝、全身で弾きこなします。まるで、たったひとりで壮大なオーケストラを演奏しているかのよう。

この日披露したのは、薮井さんが作曲した「Sengoku Warlord -Like the Wind-(邦題:風の如く ~宇喜多秀家によせて~)」。宇喜多秀家は、豊臣秀吉に寵愛され、秀吉の養女・豪姫を正室とし、27歳で豊臣政権の五大老に上り詰めたものの、関ケ原の戦いで敗れ八丈島に流刑となりました。その数奇な運命をたどった秀家の喜びや哀しみが、薮井さんの巧みな演奏で表現されました。

AI映像とリアルな演技を組み合わせた”時代絵巻”

ステージは一転、激しい戦の場面に…。

200インチのLEDディスプレイにAIを用いた動画が映し出され、AIが作り出した人物と俳優のリアルな演技が融合した時代絵巻が繰り広げられました。

イベントを企画し、宇喜多秀家の妻、豪姫を演じた女優・八木景子さんは「岡山の街の礎を築いた宇喜多家の物語を、今後も広めて行きたい」と話しています。

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