スリランカ中銀が金利据え置き、数カ月で物価上昇率は目標圏内と想定

Uditha Jayasinghe

[コロンボ 28日 ロイター] - スリランカ中央銀行は28日の会合で、政策金利の常用預金ファシリティー金利(SDFR)を8.50%、常用貸出ファシリティー金利(SLFR)を9.50%にそれぞれ据え置くことを決めた。

中銀は3月に50ベーシスポイント(bp)の利下げを実施。昨年6月以降の利下げ幅は700bpに上り、2022年4月からの計1050bpの利上げの大部分を巻き戻している。

今回についてもロイターがまとめた市場関係者への事前調査では、対象15人中8人が50bpの追加利下げを予想していただけに、市場の一部を驚かせた。

中銀は声明で、数カ月中に総合ベースの物価上昇率は目標の5%を下回る伸びになる公算が大きいとの見方を示しつつも、インフレの上振れリスクはまだある程度残っているとも指摘した。

一方スリランカ経済をてこ入れする上で鍵を握るのは、民間金融機関の与信に伸びだ、と複数のエコノミストはみている。

中銀のウィーラシンハ総裁も会合後の会見で、各金融機関が金利低下の恩恵を速やかに借り手に波及させ、経済成長押し上げのための与信拡大を後押しする必要があると改めて訴えた。

スリランカの成長率は2022年がマイナス7.3%、昨年がマイナス2.3%だったが、今年はプラス3%と見込まれている。

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