[大人のひとり暮らし]住居費削減の一手。郊外に越して2匹の猫と暮らす。イラストレーター柿崎こうこさん【前編】

住まいは暮らしの土台です。戸建てと集合住宅、賃貸、それとも持ち家? ひとつひとつの選択が、新しい暮らしをつくります。今の自分、これからの自分にぴったりくる住まいを見つけた人たちの実例集『大人のひとり暮らし 住まいとお金』から、イラストレーター 柿崎こうこさんの暮らしを、2回にわたり紹介します。

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PROFILE
イラストレーター
柿崎こうこさん
青森県生まれ。セツ・モードセミナー卒業後、96年からイラストレーターとして活動。現在は神奈川県で猫のまるお、しろと暮らす。著書に『50歳からの私らしい暮らし方』(エクスナレッジ)。
https://www.kakizakikoko.com

DATA
住居形態:賃貸/マンション
築年数:約33年(居住3年)
間取りと広さ:3DK(63㎡)
引っ越し前の都心の1LDKマンションと比べて、家賃は4万円マイナス。浮いたお金は老後に備えて、貯蓄や小規模企業共済(個人事業主などのための退職金)の積み立て、投資運用に。

日当たりのいい窓辺は2匹の猫のお気に入りのスポット。ともに保護猫で、茶白はまるおくん、白黒はしろちゃん。

これからを見据え、郊外に越し、固定費を削減

明るい光が南向きのDKを照らす午後。少し開けられた窓からは春の匂いが──。イラストレーターの柿崎こうこさんが、この家に出会った日も、この日と同じようにおだやかな天気で、窓前の梅が満開だったそう。

そのとき柿崎さんは49歳。40代半ばから意識しだした〝50代に向けての土台づくり〟の一環として、この家への転居を決めました。

それまで暮らしていたのは都心の1LDK のマンション。築浅で最寄り駅からは徒歩30秒。好きな時間にゴミ出しができ、宅配ボックスも完備という便利な物件でしたが、その分家賃は高く、払い続けていくには今までと同様のペースで働かなくてはなりません。その上、老後の貯蓄も増やしたいとなると、今まで以上にがんばらねばならず、体力が衰えていくであろう、この先を見据えると非現実的。

そこで最重視したのが住居費の削減。また、かねてより希望していた猫との暮らしを叶えるべく物件探しを行いました。ところが、賃貸ではペット可の物件が少なく、物件探しは難航。途中、小休止を挟みつつ、1年かけてようやく巡り合ったのが、郊外に建つ、この家。

「古い家なので、気になるところはたくさんあるのですが、そのおかげで工夫する楽しさを知ることができました。先のことを考えると焦燥感にかられますが、この家に引っ越し、暮らしを整えるうちに、これからも自分でなんとかしていけるだろうと思えるようになったことは、大きな収穫です」

住まいのこと

〝間〟を意識したインテリアで視覚と心をゆったりと

部屋が広くなった分、冷蔵庫も1人用から少しサイズアップして3ドアのAQUA に買い替え。ぬか床や煮炊きした鍋を入れられる大きさながら、高さは抑えられているので圧迫感なく、空間になじむ設計。上にグリーンを並べてインテリアの一部に。

DKの一角に置いた無印良品のシェルフは、同系色のかごや小引き出しを使って中身が見えないように収納を。各々のかごの中は食料品やお茶のほか、ルーターなども。小引き出しにはクロスや文房具、エアコンのリモコンなどが。

DKと隣接する和室のリビングはビューポイントをつくり、空間にメリハリを。民芸調のエスニック柄のテーブルライトは20年ほど前にリサイクルショップで買ったもの。壁の絵は水彩画家の友人作。

「ヘルシンキの“デザインミュージアム アラビア”でスケッチした絵をプレゼントにいただきました。宝物です」

来客時によく使う骨董の器は、約30年連れ添っている医療棚に。器は重ねすぎず、余白を意識してすっきりと。棚の上の植物は、癒やし効果とエアコンのダクト隠しの役割も。

※2023年11月9日に配信した記事を再編集しています。


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