6月から初診料引き上げ 現行保険証廃止まで半年

診療報酬改定と患者負担のイメージ

 医療機関の収入に当たる診療報酬が6月1日から改定され、初診や再診、入院時にかかる診察料金が引き上げとなる。看護師ら医療従事者の賃上げ原資を確保する狙い。現行の健康保険証の廃止期限(12月2日)が半年後に迫る中、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用を促進するための料金も新設。いずれも患者が窓口で支払う金額(診察料金の1~3割)は増加する。

 原則、初診料は従来より30円増の2910円、再診料も20円増えて750円となる。入院基本料は、病棟の種類に応じて1日当たり50~1040円引き上げる。

 これとは別に、病床のない診療所が看護師らのベースアップ(ベア)を行う場合、初診料に最大700円が上乗せされる。再診料も同様にベアの実施で最大100円の上乗せがある。3割負担の患者の窓口支払額は、初診で9~219円、再診で6~36円増える。入院基本料も同様に最大1650円が上乗せされる。

 ベアの実施に伴う上乗せの金額や時期は医療機関の意向や職員数などで決まる。訪問診療や歯科外来では金額設定が異なる。

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