「コロナ明けから県外ナンバーの大きい車が」売り上げが40万円“奪われる”…クルーズ船客相手の“白タク”行為横行にタクシー会社困惑

外国人観光客を相手にした悪質な犯行です。静岡市の清水港に寄港したクルーズ船の客に向けていわゆる「白タク行為」をした疑いで5月28日、男2人が逮捕された事件。地元のタクシー協会は困惑しています。

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<社会部 山本太朗記者>
「静岡市清水区の日の出埠頭には、クルーズ船が停まり、インバウンド需要が回復しつつありますが、その裏では外国人観光客相手の犯罪が問題となっています」

コロナ禍が明けインバウンド需要で活気が戻りつつある静岡県内の観光地。その裏で水を差すような不穏な動きが明らかになりました。

<社会部 山本太朗記者>
「クルーズ船から降りてきた観光客でしょうか。男に連れられ、乗用車に入っていきます」

14日の清水港、クルーズ船が寄港する度に現れるのが無許可で客を乗せていたとみられるいわゆる「白タク」です。そして、28日、男2人が逮捕されました。

<社会部 山本太朗記者>
「男が捜査員に連れられ、警察車両に入っていきます」

道路運送法違反の疑いで逮捕されたのは、ベトナム国籍で愛知県弥富市の男(31)とパキスタン国籍で自称・静岡市葵区羽鳥の男(28)の2人です。容疑者らは28日午前、国交省の許可なく清水港に寄港したクルーズ船の観光客を自家用のマイクロバスなどに乗せ、いわゆる白タク行為をした疑いが持たれています。

捜査関係者によりますと、1回5万円から9万円ほどで観光客を乗せていたということです。

こうした外国人による「白タク」は全国で問題になっていて配車サイトやアプリ、SNSなどを使って客と直接連絡を取っているとみられ、犯行が表面化しづらい状況です。この事態に地元のタクシー業界も困惑しています。

<静岡県タクシー協会清水支部 上野浩安支部長>
「ここ最近、白ナンバーで見受けられるようになってきている」

多い時には、10台以上待機しているといいます。タクシーの1日の売上がおよそ40万円奪われている計算です。

<静岡県タクシー協会清水支部 上野浩安支部長>
「無許可でやられてしまうと、何かあった時にタクシーの評判自体も関わってくる話になってしまうので、そこはできればやめて欲しい」

警察は、今後、組織的な犯行も視野に余罪についても追及する方針です。

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