詐欺被害、5月だけで2億円超 群馬県警 森永卓郎さん、池上彰さんをかたる「SNS型」

 「SNS型投資詐欺」の被害が急激に広がり、群馬県警が今月明らかにした分だけで少なくとも計2億円を超えたことが29日、上毛新聞のまとめで分かった。経済関係の著名人を装った広告から交流サイト(SNS)のグループに招き入れ、独自のアプリで利益が出たと思い込ませて多額の投資をあおり、だまし取る。県警は手口を知って、被害を避けるよう呼びかけている。

 群馬県警生活安全企画課によると、1~4月(暫定値)のSNS型投資詐欺の被害は12件で計約9030万円だった。これに対し、各署の発表によると、今月に入り、太田市で8900万円、高崎市で約4900万円、邑楽町で3420万円、渋川市で2250万円など高額の被害が相次いで判明している。

 主な手口は、経済アナリストの森永卓郎さんやジャーナリストの池上彰さんらの写真を勝手に使った広告をSNSの「インスタグラム」などに掲載。「投資勉強会」といったライングループに誘って独自の取引アプリを紹介し、偽の値動きを表示して利益が出たように思わせる。

 県警の西山徹生活安全部長は24日の定例会見で「成功体験を味わって入り込むと高額被害になる。手口を周知し、入り口でシャットアウトしたい」と述べた。

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