「常に上がっている」「消す場所が1つじゃない」同じパリ世代のヴェルディ戦士が久保建英の凄さを語る。肌で感じた経験をどう活かすか

5月29日に開催された国際親善試合で、東京ヴェルディは久保建英を擁するレアル・ソシエダと国立競技場で対戦。連戦真っ只中のため若手を多く起用したなか、特に前半は力の差を見せつけられ、0-2で敗れた。

ヴェルディのホープは、世界で活躍する日本代表アタッカーを相手にし、どう感じたのか。

大卒新人の食野壮磨は「個人的にはこういった試合も4万人が入ってプレーしたのも初めてだったので、一つひとつのプレー、特に前半はソシエダの質にどよめく、歓声はすごく大きく感じました。後半は自分たちもチャンスを作れて、そこに対しての歓声はやっぱりすごかったです」と試合全体を振り返ったうえで、同学年の久保に関してこう語った。

「やっぱり余裕があるというか、常に顔が上がっているので、消す場所が1つじゃない。1個消せば1個空くところに出てきそうなので、そこがやっぱり良い選手だなと思いました。質が高いです。めちゃくちゃ感じました」

ここまでJ1での出場は途中からの1試合のみ。定位置確保に向け、食野は守備の強化を誓う。

「リーグに今出ている選手、絡んでいる選手はやっぱり、守備が一番の僕との違いかなと。1人で奪い切るとか、一歩寄せるとか、最後に身体を投げ出すとかは自分ももっとやっていかないといけないと思います」

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また、東洋大在学中で特別指定選手の新井悠太も質の高さを口に。自身は左ウイングバックで先発し、右ウイングの久保とマッチアップしたなか、感触を問われると、次のように答えた。

「知らない人はいないんじゃないかなってくらいの有名な選手で、自分もリスペクトする部分は多くあるんですけど、そこは一旦置いといて、目の前の相手に負けない気持ちを持って対峙しました。最初は強く当たって、取れるか分からないですけど、距離感を掴めればいいかなって形で試合に入りました。

タッチが細かかったり、なかなか間合いに踏み込めないシーンがあって。他で言うと、ポジショニングの部分や細かな技術が本当に高いなと感じました。自分の中で色々考えながらマッチアップしていって、間合いを掴みながらって感じではあったんですけど、そこでも上下に揺さぶられたり、なかなか足を出せない状況だったので、そういったところはレベルが高いなと思いました」

この貴重な経験を活かさない手はない。

「本当に貴重な経験であることは間違いないですし、それを経験で終わらせないで、自分がこれから成長していくための糧にできればと思います。まずは一歩ずつちゃんと成長できるような取り組みをしていきたいです」

括りで言えば同じパリ五輪世代でありながら、A代表でも活躍しているスターとの対峙を経て、どんな成長曲線を描くのか。世界を肌で感じた彼らの今後に注目だ。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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