賃上げ4.9% 長崎県内建設業 2023年平均 担い手確保へ全国上回る

賃上げ状況を報告する根〆会長(右)=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 長崎県建設業協会の根〆眞悟会長は、長崎市内で28日開いた総会で、2023年の会員企業の平均賃上げ率が4.9%(速報値)に達したことを明らかにした。厚生労働省の毎月勤労統計調査によると全国平均はほぼ横ばいで、本県の上げ幅が際立った。
 人手不足を背景に、同協会は23年2月にアクションプランを公表し、25年度までの3年間に給与をおおむね5%以上(年1.5%以上)上昇させる目標を掲げた。その実行に向け、県に対し建設工事の最低制限価格を一律92%に引き上げるよう要望し、23年4月から実施された。これで得た原資を労働者に還元することが業界に求められていた。
 同協会が今年1月に実施した実態調査によると、回答企業のうち8割が23年度に給与を引き上げた。24年度も同程度が予定している。
 さらに、同プランは4週8休制など休日休暇の抜本的拡大も目標に据えた。実態調査によると、23年度に休日を増やした、あるいは24年度に予定している回答企業はいずれも4割強だった。
 根〆会長は「各企業が呼びかけに応じ、担い手確保に向け努力したことがよく分かる」と述べた。今年3月末の会員数は356社。
 この日、原案通り承認された24年度事業計画では、こうした給与アップや休暇の拡大を「若者が入職しやすい環境づくりが一定進みつつある」と評価した上で、会員で一致結束して同プランを推進するとした。
 業界の健全な発展に顕著な功績があったとして全国建設業協会長表彰を受けた豊建設(新上五島町)の田中康裕代表取締役をはじめ、会員企業や個人に対する伝達式と表彰式もあった。

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