血を流すタクシー運転手、コンビニに駆け込む…乗客の男に撃たれていた 商業施設も立ち並ぶ住宅街、男は逃走中…眼鏡かけた50~60代 タクシーのドアを殴る姿目撃、爆竹のようなパンという音 拳銃は見つからず

襲われたタクシーの現場周辺では警察官らによる鑑識活動が行われていた=30日午前2時27分、川口市幸町3丁目

 29日午後11時40分ごろ、埼玉県川口市幸町3丁目付近のコンビニエンスストア店員の40代男性から、「タクシー運転手が出血している。銃で撃たれたと言っている」と110番があった。

 県警によると、同日午後11時38分ごろ、同所の路上で、タクシー運転手の男性(72)=栃木県足利市=が乗客の男に拳銃のようなもので撃たれてけがを負い救急搬送された。命に別状はないという。男は現在も逃走中で、県警は強盗殺人未遂事件として川口署に60人態勢の特別捜査班を設置。男の行方を追っている。

 県警によると、男は同日午後11時半ごろ、JR赤羽駅(東京都北区)付近で男性が運転するタクシーの後部座席に乗車した。3キロメートルほど離れた事件現場付近へ向かうように指示し、停車させると、車内で男性に対して「金を出せ」と脅迫。その後拳銃のようなものを少なくとも1発発砲し、男性に4週間の重傷を負わせた。男性は自力で付近のコンビニエンスストアに駆け込み助けを求めた。搬送当時意識はあり会話ができる状態だったという。ほかの目撃者からは「男がタクシーのドアを殴っている。爆竹のようなパンという音がした」との通報もあった。

 男はその後、駆け足で東方へ向かい県道へ逃走。県警はその先の足取りを追っている。現場から拳銃は見つかっていない。男は50~60代くらいで黒色キャップ、眼鏡着用。黒色半袖、長ズボンに白いマスクを身に着けていたという。

 県警は男性が運転していたタクシーのドライブレコーダーを調べて逃げた男性の行方を追うとともに、現場付近のパトロールの強化や近隣住民に警戒を呼びかけている。

 現場はJR川口駅から北方に約370メートル離れた住宅街で、商業施設も立ち並ぶ地区。

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