ながら運転・逆走・信号無視…違反自転車に「青切符」導入へ 都内で“一斉取り締まり” 最高1万2000円の罰金

2024年5月17日、自転車の交通違反に反則金を求める「青切符」制度の導入が決定。
信号無視などのほか、新たに携帯電話を使う“ながら運転”など110以上の違反が含まれ、取り締まりの対象は16歳以上です。
反則金は、5000円から1万2000円程度となる見込みで、2年以内に施行されます。

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これを受けて29日、警視庁は自転車の交通ルールを周知させるため、都内117カ所で一斉に取り締まりを行いました。

自転車を運転していた男女に駆け寄り、呼び止めます。

実は呼び止める直前、交差点の信号は赤。車道を走っていた2台の自転車が赤信号を無視して左折したのです。

警察:
上の信号機はご覧になっていましたか? 2台とも赤信号(での横断)になっちゃうので、きょうは指導警告カードをお配りしているんですけども。「自転車のマナーとかルールを徹底してください」という趣旨でお配りしているもの。

その後も、次々に警察官の注意を受ける自転車の利用者たち。

中には、白バイに乗った警察官がサイレンを鳴らして自転車を追いかけ、違反者を注意する場面もありました。

相次ぐ“危険運転”

実際に自転車を利用する人は、どの程度制度を認識しているのでしょうか?「めざまし8」が都内で取材を行うと、今後反則金を取られる可能性が高い違反が相次いでいました。

取材スタッフ:
携帯電話で通話をしながら、自転車をこいでいる方がいますね。

まず、見つけたのは通話しながらの“ながら運転”。反則金は1万2000円と最も高くなる見込みです。

運転者はその後も、スマホで話しながら横断歩道を渡り、原則禁止とされている歩道を走行。歩行者の間を走り去っていきました。

取材スタッフ:
あちらの方、ヘッドホンをしながら自転車を走行しています。

イヤホンやヘッドホンをしながらの運転は、周囲の音が聞こえなくなるため違反行為。反則金は5000円となる見込みです。

――今、イヤホンをしながら走行していたいと思うのですが…。
イヤホンを装着して走行していた人:
いけないんだよね…分かりました。(Q.音楽とかを聴いている?)そうです、ラジオとか。

――青切符の導入や、反則金があることを知っていましたか?
イヤホンを装着して走行していた人:
いや、知らなかったです。罰金まであるんですね。

他にも、左側通行の車道を“逆走”する自転車や…、停止線を越えた位置での停止。
2段階右折をせずに交差点を曲がる、信号無視をするなど危険な行為をする自転車が相次ぎます。

日が暮れると、多く見られたのが無灯火で走行する自転車。

取材スタッフ:
前方のライトをつけず…さらに手にスマホを持っています。

“無灯火”だけでなく、スマホを見ながら走っている上に、ハンドルを握らない“手離し運転”。さらに耳にはヘッドホンを付けています。

自転車ルール周知の問題も…

さまざまな違反行為が相次ぐ中、自転車利用者たちからはこんな声も聞こえてきました。

――自転車のルールを学ぶ機会はありましたか?
自転車利用者:
ないですね。

自転車利用者:
全然分からないですね、そういうのって、自分で調べない限り。

自転車の法令に詳しい、高山法律事務所の高山俊吉弁護士も、自転車のルールが十分に周知されていないことを指摘します。

高山俊吉弁護士:
自転車も道路交通法の適用を受けるということがあるにもかかわらず、道路交通法を知ることなく、運転技術さえ身につければ乗れてしまう。最大の問題だと思いますね。
総じて申し上げれば、自転車ライダーが道路交通法の知識を本当に持っていない。悪意善意問わず“持っていない”。そこをまず直していかないと、青切符の導入と言ったって、どうしたらいいんだとなってしまうので、まずそこは知ってほしいなというところが私の強い願望です。

――罰金だけで、点数の罰則のようなものはない?
点数制度というのは、免許に伴うものなので自動車とか車の免許を持っているものに対する対応なので、自転車は免許がいらないというものが原則ですから、そこには講習を受ける義務とかそういうものは義務づけられますけども、講習を受けないと罰金とか、そういうペナルティーになっているんですね。

MC谷原章介:
運転免許、バイクでも車でも免許を持っている方は交通ルールを知っているわけじゃないですか。その上で自転車で違反を犯した場合は、点数との連動とかはあったりするのですか?

高山俊吉弁護士:
そうですね、それは重大事故が発生して救護義務違反だとか、そういう問題になったときは別なんですけども、基本的には自転車のルールの中で処理をするという立て付け、仕組みになっています。色々考えて課題はあると思います。

(『めざまし8』 2024年5月30日放送より)

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