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劇作家・演出家 平田オリザさんのラジオ番組(ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』)に、兵庫県立ピッコロ劇団の俳優・原竹志さんが出演。同劇団において演出も多数手がけてきた原さんが、5月31日(金)から開幕する劇団30周年記念公演について語った。
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今春、「第26回関西現代演劇俳優賞大賞(主催:現代演技論研究会)」を受賞した原さん。対象作「やわらかい服を着て」(ピッコロ劇団第76回公演)は、人道支援をめぐる青春群像劇。原さんは、一流商社を退職しNGO活動にのめり込む夏原一平役を好演した。脚本を務めた永井愛さんも「ほんとうにそういう人がいるようだった」とコメントしたほどだ。
これまで、数多くの子ども向け舞台の作・演出を手がけてきた原さん。5月31日(金)より開幕するピッコロ劇団設立30周年記念公演「あしあとのおと、ものがたり」でも演出を担当する。
同公演は、現在注目を集めている劇団・コトリ会議の山本正典さんが、兵庫県出身の柳田國男の作品「遠野物語」に着想を得て書き下ろした作品だ。
コトリ会議の公演で共演するなど、これまでにも交流のあった2人だが、ピッコロ劇団での創作は初となる。心の機微を繊細に表現する山本さんの世界観を、ピッコロシアターの大ホールでどのように見せるか。セリフのない俳優らが生み出す“境界線”が作品のカギとなっている。原さんも、「今回の挑戦がお互いのステップアップになれば」と意気込んだ。
番組では、演出家・劇作家である平田さんと演出法や劇団運営について語り合う場面も見られた。
「先輩俳優に演出をつけるのはどうですか?」という平田さんの問いに、「若手にまず『ここはこうで』と言ったあとに、『それであそこは森(好文)さん、こんなふうに……』ともっていく(笑)」と、自分流の戦略を明かした原さん。
原さんの言葉を受け、平田さんは「若手の演出家にとって一番大事なのは、年上の俳優と仕事をすること」と断言。
続けて、「(劇作家・演出家の)太田省吾さんも『年上の俳優は金のわらじを履いてでも探せ』とおっしゃっていました。(年上と仕事をすることは)自分を育ててくれます。僕の場合は、志賀(廣太郎)さんに『おっさん、ちゃんとして』と(笑)。(志賀さんは)すぐに舞台袖で寝ちゃうから」と、亡き朋友とのエピソードも披露した。
今回の公演では、2011年から実施している取り組み「わくわくステージ」を実施。兵庫県内の中学生を招待し、本格的な演劇の鑑賞体験を通じて演劇のおもしろさを実感してもらうとともに、心の豊かさを育んでもらおうという試みで、原さんは「世代に関係なく楽しんでもらえる作品」と呼びかけた。
※ラジオ関西『平田オリザの舞台は但馬』2024年5月30日放送回より