「コミュニケーションを大切にし真摯に対応」JR東海社長 鈴木新知事誕生でリニア静岡工区着工へ意欲 沿線自治体からも歓迎の声

新知事誕生でリニア問題に進展はあるのでしょうか。JR東海の丹羽俊介社長は5月30日、静岡県の鈴木康友新知事の就任を受け、「密接に意思疎通をしていきたい」話し、改めて、静岡工区への着工へ意欲を見せました。

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<JR東海 丹羽俊介社長>
「新知事誕生ということで、今後とも密接に意思疎通をしてまいりたいと考えている」

30日、静岡市内で報道陣の取材に応じ、鈴木新知事の就任に触れたJR東海の丹羽俊介社長。静岡県の川勝平太前知事が在任中、長年認めてこなかったリニアの着工について、改めて、早期実現に向けて意欲を見せました。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「私どもとしては、1日も早く静岡工区に着手したいと考えているが、そのために地域の方々の理解、協力をいただけるように、今後とも引き続き双方向のコミュニケーションを大切にしながら、真摯に対応してまいりたい」

リニア「推進」の立場をとる鈴木知事は29日の就任会見で、工事の前段階となるボーリング調査については「進めていくべき」という考えを示しました。

<静岡県 鈴木康友新知事>
「全体としての懸念が払拭され、特に流域市・町の不安がある程度解消されるのが必要」

ただ、工事の影響で岐阜県内の井戸などの水位が低下したものの、報告が遅れたことについて鈴木知事は「対処が後手になると不信を広げてしまう」とJR東海に注文を付けています。

一方、早期着工を進めたいリニア沿線の自治体からは、鈴木新知事に期待の声が寄せられます。

<山梨県 長崎幸太郎知事>
「懸案事項をいかに解決するかというスタンスは鈴木知事にも向き合って頂けると思うし、そのためにも山梨県は協力を惜しまず、支援をしていきたい」

<長野県飯田市 佐藤健市長>
「どうなれば、静岡工区の着工がゴーサインが出るのかというのが(前の川勝県政で)大変分かりづらかった経過があるので、分かりやすい形で進めて頂ければ」

<静岡県 鈴木康友新知事>
「幸いなことに神奈川の黒岩知事とも、山梨県の長崎知事とも、愛知県の大村知事とも昔から非常に昵懇ですので、良いコミュニケーションは取れると思っている」

先行き不透明なリニア問題。解決に向けて着地点を見出せるのか、鈴木新知事の言動に注目が集まります。

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