「ドローンを使った買い物代行サービスがこれから有効」山あいの町に配送事業拠点 災害時は救援物資も=静岡・川根本町

過疎地の物流を「空のインフラ」で支えます。5月30日、静岡県川根本町にドローンを使った物流の拠点となる施設がオープンしました。

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<島田支局 篠原大和記者>
「こちらの物流専用のドローンは最大で5kgの荷物を運ぶことができます。日用品や食料を運ぶことを想定しています」

川根本町の空を荷物を積んだ大型のドローンがゆっくりと進みます。30日、川根本町にドローンを使った配送事業の拠点「Sky Hub 川根本町」がオープンしました。町が山梨県の企業に業務委託し、ドローンを使った買い物代行などを2024年の秋頃をめどに本格的にスタートさせます。30日はデモフライトでおよそ4km離れた地点に8分ほどで食料を届けました。

川根本町が物流にドローンを導入する背景にあるのは、インフラの弱さと急速に進む高齢化です。

<川根本町デジタル推進課 服部了士課長>
「川根本町は町の面積の約9割が山林。75歳以上の後期高齢者の割合が県内1位。免許の返納などで、買い物困難者が増加する。ドローンを使った買い物代行サービスがこれから有効だと考えている」

また、災害時に救援物資を運ぶ役割も期待されています。川根本町では、2022年の台風災害で孤立地区が発生し、物資の輸送は困難を極めました。ドローンであれば道路が寸断されても食料などを素早く届けることができます。

<川根本町民>
「災害があったとき、荷物を運んでくれたらありがたい。期待しています」

町の人たちはドローンの力で暮らしが豊かになることを期待しています。

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