那須雪崩事故・教諭ら3人「禁錮2年」 判決について遺族・弁護団が会見「人災であったという思い通じた」

とちぎテレビ

那須雪崩事故の刑事裁判で、教諭ら3人への「禁錮2年」の判決を受けて、遺族はこの結果をどのように受け止めたのでしょうか。

判決の朝。

雪崩事故で息子の公輝さんを亡くし遺族の代表を務める奥勝さんです。

教諭ら3人が、講習会での安全確認や事故後の安全措置を行わなかったとして「雪崩事故は人災だ」と訴え続け、1年8カ月間続いた刑事裁判の行方を見守ってきました。

(息子・公輝さん(当時16)を亡くした 奥勝さん)
「今日の結果をちゃんと見守ってね、と心の中で呟きながら手を合わせました。未来に向かって教訓となるような判決が出ることを期待しています」

宇都宮地裁で開かれた30日の判決公判で、教諭ら3人に「禁錮2年」の判決が言い渡されました。

判決の後、遺族らが県庁で会見を開きました。

(息子・公輝さん(当時16)を亡くした奥勝さん)
「(雪崩事故は)「人災」というのを私たちは訴えてきた。これほど思いが通じたと思った瞬間は無かったです。那須雪崩事故の判決が、しっかりと教訓として各学校の先生方に、何かしようとしたときの判断に反映していただきたいというのが私の思いです」

(息子・優甫さん(当時29)を亡くした毛塚辰幸さん)
「息子にとっては自分の無念を晴らせたのではないかと思います。きょう出された量刑は、3被告が事故と向き合って自分たちの非を自覚し、反省されるためにあるものだと思っています」

(息子・宏祐さん(当時16)を亡くした佐藤政充さん)
「自分たちが間違っていたという過失、罪を認めて、その罪を償ってから真の意味での謝罪をしていただきたいと思います」

(息子・淳生さん(当時16)を亡くした高瀬晶子さん)
「朝と裁判に向かう前の2回、お線香を上げてきました。きっと淳生は近くにいて、『母ちゃんの思った通りになったね』『よかったね』と言ってくれているような気がいたします」

そして、「禁錮2年」の量刑について遺族の弁護士は。
(石田弘太郎弁護士)
「判決では、故意ではないが、過失は非常に重大はものだと書いてくれました。ここはとても評価できるものですし、刑を決めるにあたって、その重さを十分に評価したのだと思います。量刑としては妥当」

また、宇都宮地検は判決後に異例のコメントを発表しました。

「有罪判決が得られ、事実認定についてはおおむね検察官の主張が認められたものと理解している。実刑に付した点は、被告人らの責任の重大性を評価したものと受け止めている」としています。

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