ウクライナ貧困層、人口の約3割に ロ侵攻後180万人増=世銀

Andrea Shalal

[ワシントン 30日 ロイター] - 世界銀行は、ウクライナの貧困生活者の数が2020年以降180万人増加し、人口の約29%に達したと報告した。22年に始まったロシアによる侵攻で経済の荒廃が続いているという。

世銀は、年金や教員、医師などの給与支払いに多額の海外支援を受けていなければ、状況ははるかに悪化しただろうと指摘。ロイターとのインタビューで「特に米国などの国際パートナーがこうした社会支出に特化した資金を提供していなければ、貧困者は現状より300万人増えていただろう」と述べた。

報告は最大2000世帯に電話で毎月実施する調査に基づいており、昨年は推定900万人が貧困状態にあった。現在の総人口は推定3200万人。

世銀は、戦争前に就業していた成人の20%以上が失職し、雇用の減少が貧困者数を押し上げていると指摘した。

調査対象者の約25%が23年6月のある時点で食料を購入する資金が不足したと回答。ただ下半期には経済回復とインフレ鈍化が見られたという。

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