小池都知事が「裏金自民しがみつき」に苦悶…“乙武パターンNG”と逆襲までされる自業自得

所信表明演説は珍しくカミカミだった(小池百合子都知事=左。右は、都知事選に出馬証明した立憲民主の蓮舫氏)/(C)日刊ゲンダイ

裏金自民の執拗な「しがみつき」に、女帝は困り果てているようだ。

小池知事の3選が確実視されていた都知事選は、立憲民主党の蓮舫参院議員の出馬で様相が一変。出馬会見で「裏金事件、『政治とカネ』の自民党政治の延命に手を貸す小池都政をリセットする」と表明したことで、小池知事と自民の蜜月ぶりがアリアリと浮かび上がったのだ。

4月の衆院3補欠選挙で全敗し、今月26日の静岡県知事選でも負けた自民は、都知事選での敗北を避けるため小池知事との連携を切望。28日には、都知事選での連携を視野に、都議会自民執行部と小池知事が面会した。同席した自民関係者はこう言う。

「蓮舫氏が都知事選を与野党対決にしようとしているから、小池知事は我々との連携にナーバスになっているようだ。ただ、こちらとしては『今回は“乙武パターン”はナシだ』と伝えておいた」

“乙武パターン”とは、先月の衆院東京15区補選に出馬した作家・乙武洋匡氏の対応だ。小池知事率いる「都民ファーストの会」の推薦を受けた乙武氏は、出馬会見で「自民に推薦依頼を出さない」と発言。推薦に前向きだった自民関係者からは「ハシゴを外された」と批判が噴出した一件である。つまり、知事選では乙武氏のように自民を袖にすることは許さず“絶対に連携させろ”と言っているわけだ。

4年で進んだ「小池離れ」

あまりに執拗だが、小池知事にはムゲにできない事情がある。「自民を怒らせると、知事当選後に邪魔をされて都政運営に支障をきたしかねない」(都政関係者)からだ。

これに、苦悶の表情を浮かべるのは、小池一派の都ファ関係者だ。

「都政運営上、自民をムゲにできないのは理解できる。しかし、印象最悪の自民との連携など絶対にあり得ない。知事は票を減らすだけ。突っぱねなければダメだ」

この関係者が危惧するのは、JX通信社が今月18、19日に実施した世論調査の結果である。都内有権者2299人を対象に実施したネット世論調査で、小池知事を「支持する」は33%で「支持しない」の33%と拮抗。前回の知事選前に行った調査では小池知事の支持率は69.7%に達していた。この4年で明らかに小池離れが進んでいる格好だ。

「この数字はかなり怖い。自民を『排除』しないと、さらに支持層が離れていくだろう」(同前)

29日の都議会開会日の所信表明演説で、珍しくカミカミだった小池知事。自民のしがみつきに動揺しているのかもしれない。

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