全国各地の名書店の書店員さんに、おすすめの本を教えていただきました。第9回は広島県庄原市にある「ウィー東城店」。お店の魅力もたっぷり語っていただいています。
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ウィー東城店
「ウィー東城店」のある東城は広島と岡山の県境にあり、古い町並みの残る城下町。
広島県庄原市東城町川東1348-1
☎08477-2-1188 営業時間10時〜19時
元日のみ休み
お話を伺ったのは
妹尾秀樹さん
16歳から「ウィー東城店」で働き始めて12年。「街の人に魅力的な本を紹介できる棚づくりを心がけています」
人々のニーズに究極まで応える頼れる書店
広島県の山間部に、ひっきりなしに人が訪れる書店がある。「ウィー東城店」だ。本の横に雑貨、化粧品、さらには激辛唐辛子や食品などが並び、敷地内には美容室、パン屋さん、コインランドリーも併設されている。
「社長の佐藤が、街の人の困りごとにできる限り応えていったら、こうなったそうです」と話す店員の妹尾秀樹さん。実は妹尾さんも、ウィー東城店に助けられた一人だ。
「僕、中学3年間、不登校だったんですよ。これではまずいと思っても、どうしたらいいかわからない。そこで母が、『ウィーさんでアルバイトをさせてもらえないか』とお願いし、働くことになったんです」
最初は電話の受け答えもままならなかったが、徐々に接客にも慣れ、今では書籍を担当。棚やコーナーづくりも任されるようになった。
「人口の48%が65歳以上という、高齢化が進む街ですから、塗り絵や間違い探しなどの脳トレ本、生き方の指針になるような本のコーナーは人気ですね。社長は基本、NO!を言わない人で(笑)、挑戦することに寛大です。雑誌や定番の書籍もありますが、独断で棚一つ丸ごと使ってフェアをすることも。いつ来ても新鮮で、ちょっとした驚きを感じられる書棚を心がけています」
スマートフォンの使い方がわからない、ラジオが壊れたなど、日々いろんな困りごとがもち込まれてくる。
「電池の向きをひっくり返したら音が鳴ったとか(笑)、料金を頂かないケースもあります。それでも、よろず頼られるお店でありたい。それがお客さまと真摯に向き合い、ニーズに応えるということなんですよね。僕はまだまだ未熟ですが、『ウィー東城店に行けば何とかなる』と思ってもらい、笑顔でお帰りいただけるよう頑張っています」
この辛さがクセになる世界一辛い唐辛子
書店員総出で植えつけから収穫までお手伝いした唐辛子。「笑っちゃうぐらい辛い。でもこれを求めて来店する人も多いです」
2021年においしいパン屋さんがオープン
敷地内のパン屋さん「モン プティ シェリ」。「シンプルであきのこない味です」
☎08477-3-6007 営業時間10時~18時(なくなり次第終了) 日曜休み
妹尾さんおすすめ【ゲーム好きじゃなくてもためになる本】
岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。
ほぼ日刊イトイ新聞/編
1870円 ほぼ日
任天堂の元社長で、若くして亡くなった岩田聡さんが生前に語った言葉を集めた本。
「自分も仲間も、そして買ってくれた人も幸せになることを願い、世界中で愛されるゲームを作り出した伝説の人。全社員と面談し、人の言葉に耳を傾け、他人に敬意を払う。ビジネス書としてだけでなく、人生を生きるヒントが詰まった一冊です」
吉田の日々赤裸々。『ファイナルファンタジーⅪⅤ』はなぜ新生できたのか
吉田直樹/著
1320円 KADOKAWA
崖っぷちプロジェクトだったオンラインゲーム『ファイナルファンタジー』が新生するまでの過程を、プロデューサー兼ディレクターである筆者が振り返る。
「散々な出来だったゲームを立て直すまでの奮闘物語が、読みやすい文章で綴られています。問題を解決するための考え方など、オンラインゲームを知らない人にも役立つ内容です」
虹色ゲームメーカー
たかし♂/著
660円 スクウェア・エニックス
人づき合いが苦手で、友達はゲームという女子高生のまどか。彼女の自作ゲームが世界中でヒットしたことにより、運命が動きだす。
「女の子の成長を描いた漫画ですが、SNSで拡散するとあっという間に大ヒットするなど、今の時代をリアルに反映。創作にかける熱い思いにも感動します。ゲームという未知の世界を知るのにもぴったりです」
※この記事は「ゆうゆう」2022年2月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のため再編集しています。