松崎裕子、ローデリウス作品参加につながった85年アンビエント名盤『螺鈿の箱』が世界初CD化

フルート奏者などクラシックのキャリアを経て82年からは作編曲家、85~87年には英ロンドンを中心にフルート、シンセサイザー / キーボード奏者としてスタジオ・ミュージシャン、ツアー・サポートとして活動、日本の音楽シーンを通過することなく海外で高い評価を得ていた松﨑裕子が、渡英前の1985年に100枚限定LPのみで制作した超希少盤『螺鈿の箱』が再発決定。7月3日(水)に世界初CD化となるCD作品で、10月2日(水)に世界初リイシューとなる2枚組LPとして発売されます。

本作は、シンセサイザーにフルート、オーボエ、ギター、パーカッションといった生音を織り交ぜた独創的な編成で、随所に和のテイストを感じさせるスピリチュアルで幻想的なサウンドを展開。85年リリース当時、ペンギン・カフェ・オーケストラのサイモン・ジェフスが本作を耳にしたことをきっかけにクラスター、ハルモニアなどの活動でも知られるドイツの電子音楽家、ピアニストでもあるローデリウスの『Pink, Blue and Amber』への参加につながるなど、ハウスやテクノの隆盛とともに世界的な拡がりを見せていた80年代後半のアンビエント・ミュージック興隆期に日本から誕生した世界標準のアンビエント名盤です。

松﨑裕子は、フルーティストとしてリサイタルほか、関西フィルハーモニー交響楽団、テレマンアンサンブルなどと、ソリストとして数多く共演。85~87年にパリ、ロンドンを中心にヨーロッパで活動し、アンビエントの父とも称されるローデリウスや多くのミュージシャンのアルバム、コンサート・ツアーに参加しました。また、88年より琵琶や雅楽などの日本の伝統楽器を中心とした作曲、コンサート活動を始めたほか、90年代からは、『華岡青洲の妻』、小泉八雲『KWAIDAN 怪談』シリーズ、『キネマの青春』『サラバ サムライ!』をはじめとした数々のTVドラマ、『早坂暁の花暦 一期一会』20シリーズ、『20世紀のファイル』24シリーズ、『辰巳琢郎・リフォームの魔法』24シリーズ、『世界遺産』『もうひとつのワールドカップ』『水木しげる』などのドキュメンタリー番組やこども放送局番組など、映像音楽を中心に作曲家として活動。2008年からは大阪に拠点を移し、ボンサイオブジェ作家として、独自のオブジェの世界を展開していることでも知られます。

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