「カッコつけたところで若い子には勝てない」超人気YouTuber化け子さんが捨てたものとは?

芸能界ヘアメイク歴36年・今は“老け顔脱却”を発信する超人気YouTuber 化け子さん!編集部からの出演オファーに「わ!ひでこ先生と断捨離の大ファンなんです~」と秒で応じてくれた化け子さん。

ひでこ×化け子の人生と美容をめぐる断捨離トークは笑いあり涙ありの伝説回!

人生が面白くなる断捨離®

48歳からのメイクの強化書 笑って学べるマンガで化け活。

カッコつけたところで若い子には勝てない

ひでこ:ベテランのヘアメイクアップアーティストでありながら、54歳で「ヘアメイク職人化け子」として裸一貫でYouTube デビューし、大ブレイク。なぜ転身を?

化け子:50歳を過ぎた頃から、生き残りに不安を感じたんです。私は業界トップの大女優さんから長年ご指名をいただき、キャリアには恵まれてきたけれど、その方が亡くなり、専属だっただけに仕事が激減。しかも私はシングルマザーで、子ども2人を大学に進ませたいタイミング。今後は芸能界からのご指名に頼らなくても稼げる人間にならないとマズい、と。

ひでこ:それで、起業塾に通われた。

化け子:ハイ。とはいえ、急にビジネスセンスが身につくわけはなく、SNSでの発信やメイク講座などに挑戦しながら試行錯誤しました。そのタイミングにコロナ禍に入り芸能界の仕事がゼロに。そのときYouTubeに興味を持ち、起業塾の仲間とチャンネルを開設しました。

ひでこ:「ヘアメイク職人化け子の駆け込み寺」というネーミング、お見事ですよね。

化け子:いかにも業界風のカッコいい系の名前と内容でいく案もあったけど、キラッキラの若い美容家さんたちがあふれているなか、同じ土俵でシミだらけのおばさんがスタイリッシュに発信したところで勝てるわけがない(苦笑)。経営者でもある知人に「化け子って名前はどう?」というアイデアをもらい、「それだ!」と即決。自らスッピンでお手本を示したシミ消しテクの動画がバズったときは、自分をさらけ出してよかったなと思いましたね。

葛藤を捨てられたのはファンの言葉のおかげ

ひでこ:第一線で30年以上も活躍してきたベテランとしては、一般人を相手に発信することへの抵抗もあったのでは?

化け子:心の整理は簡単ではなかったです。技術には自信があるし、同業者から「都落ち」と見られるのでは?という怖さもありましたしね。一方で、生活費や学費を稼ぐためにプライド云々と言っている場合ではなかった。

ひでこ:複雑な葛藤をどのように断捨離したの?

化け子:私はずっと、「女優専属のベテランヘアメイク」の肩書きを盾にして生きてきました。ところがあるイベントでYouTubeの視聴者さんに、「メイクは興味ないけど、化け子さんにとにかく会いたかったんです」と言われて。ビックリしながらも、すごく嬉しくて……(涙ぐむ)。

ひでこ:化け子さんの存在そのものに惹かれた、と。

化け子:「私からヘアメイクをとったら何の価値もない」と思っていたのは自分自身と気づいて。このとき初めて、立場への執着や余計なプライドを断捨離。そこからは、悩める大人に向けて、これまで以上に堂々と発信できるようになりました。

ひでこ:葛藤を超えてありのままの自分を見せる道を選び、唯一無二のアーティスト「化け子」が誕生した。お見事だわ。

10年以上過ぎても「いつか」は来なかった!

化け子:執着といえば、昔「いつか役に立つかも」とネイリストの資格を取ったんです。以来、我が家には10年以上ネイルの仕事道具を寝かせっぱなし。でも、昔の自分への執着を捨て、化け子として生きる覚悟を決めた瞬間、それも一気に処分。

ひでこ:すばらしい(拍手)。「いつか」は来ませんからね。

化け子:ハイ、10年過ぎても来ませんでした!

ひでこ:私も最近、昔の資料をごっそり断捨離したわ。アイデアの宝庫のつもりで取っておいたのだけれど、いつのまにか「この資料を捨てたら、こんなにいいアイデアは二度と浮かばないかも」という不安と執着が生まれていたことに気がついて。

化け子:え、ひでこ先生にもそんなことが……。

ひでこ:案の定、断捨離してスペースが空いたら、もっといいアイデアがたくさん湧いてきたわ!人間、生きていれば物は増えるし、執着するのは当然。そんな自分を責めずに、「気づいて捨てる」を繰り返すことで、今の自分にふさわしい物だけに囲まれた人生を歩めるようになっていくのよね。

40代以降のメイクはファンデの断捨離が要

ひでこ:ところで、大人世代のメイクのコツを私にも教えていただけないかしら?

化け子:喜んで!40代以降はベースメイクを引き算するのが鉄則です。シミや毛穴をカバーするためにファンデを厚塗りするのは逆効果。余計な皮脂が出て、肌トラブルが際立ってしまうんです。対策としては、肌の悩みには丁寧な保湿などスキンケアを徹底し、勇気を出してファンデをやめて、気になる部分だけコンシーラーでカバーすること。

ひでこ: ファンデをやめるって断捨離的な発想ね。

化け子:世の中にはメイクさえすればきれいになると思い込んで、スキンケアをおざなりにしている人が多いんです。

ひでこ:土台となる肌の扱い方が雑だ、と。家の扱い方が乱暴なのと一緒だわ(苦笑)。

化け子:お上手!スキンケアをするときは絹ごし豆腐を扱うように丁寧に肌に触れる。それだけで、肌の調子がまったく変わってきますよ。

ひでこ:年齢を重ねた人ほど土台が揺らいでくるから、スキンケアは大切ですね。

化け子:まさに!メイクも若い頃と同じやり方ではNG。私はこれからも年代に合った最適解を、自分を実験台に研究して発信し続けていくつもりです。

ひでこ:年齢とともに私たち自身も変化し、学びも分かち合いたいことも増えていく。化け子さんも私も、一生引退することはなさそうね!

子ども2人のためにも生き残らなきゃ!の覚悟で、ベテラン・ヘアメイクのプライドを断捨離。――化け子

大人になるほど立場の断捨離には葛藤がある。でも得られる果実は大きいの。――ひでこ

<教えてくれた人>
・やましたひでこさん
断捨離(R)提唱者。1954年、東京生まれ。子育てや介護を経験した後、ヨガの行法哲学「断行・捨行・離行」から着想を得た「断捨離」理論を構築。レギュラー出演中のBS 朝日『ウチ、“断捨離(R)” しました!』(毎週火曜夜9時)は放映200回を突破!

・ヘアメイク職人 化け子(岸 順子)さん
メイクアップアーティスト。1966年、岡山生まれ。YouTube チャンネル「ヘアメイク職人_ 化け子
の駆け込み寺」で大人気のYouTuber。チャンネル登録者数は35万人を突破(2024年3月現在)。20歳の息子と17歳の娘のひとり親でもある。

参照:『サンキュ!』2024年6月号「断捨離(R)トーク ひでこの部屋」より。掲載している情報は2024年4月現在のものです。撮影/久富健太郎 取材・文/志村香織 編集/サンキュ!編集部

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