イオントップバリュ 新商品/アレルギー対応冷凍食品8品発売

イオントップバリュは5月31日、メディア向けにアレルギー対応・環境配慮品の新商品発表会を開催した。

<社会課題に対応>

食物アレルギーのある子供や家族にもっと手軽に食事を楽しんで欲しいという思いから、特定原材料に配慮した「トップバリュ やさしごはん」シリーズから初の冷凍食品が登場する。自然解凍でも食べられる米粉パン3品目、弁当ニーズに対応したミニハンバーグやポークウインナーなどを用意した。

環境配慮品では、これまで残渣として廃棄されていたキャベツの芯から抽出したエキスを用いた調味料を新発売。加えて、低利用魚を加工する「もったいないお魚シリーズ」第3弾として、瀬戸内海で漁獲した「黒鯛」も登場する。さらに、2025年度中に全てのトップバリュ製品を環境配慮商品に切り替えることも発表。進捗は「トップバリュ サステナブル」のサイト上で随時報告するという。

<土谷社長>

「やさしごはん」について、土谷美津子 社長は「子育て世代をいかに支援するかが社会課題だと思っており、その支援で絶対に必要だと思って取り組んでいる。アレルギー患者数と比較して、市場のアレルギー対応商品は少ない。家庭で1から料理を作ることは大変で、子育てと仕事を両立させる中、作らずに食べられるものあれば、より便利になる。

売場に置き続けるということが何よりも大事だが、もちろん利益なくして続くものではない。配送を工夫するなど、どうやって事業を継続できるかを考えている。いつでも手に入るようにしたいという思いがあるため、店舗だけでなく、グリーンビーンズ(イオンのネットスーパー)などネットでも提供していく」と意義を語った。

<高橋本部長>

高橋幹夫 商品開発本部長は「(やさしごはんは)価格としては若干高めだが、今後取り扱い店舗を広げることでコストを下げる努力をしていく。常温品は1200店舗、冷凍は1400店舗以上での提供を目指す。

25年度中を目安に、取扱商品数(現在27品)を改廃含めて倍に増やしたいが、製品を作れる工場が限られている。例えば米粉パンだが、同じ敷地で小麦を扱っている工場だとコンタミネーション(混入)の可能性がある。非常に厳しい管理をしないと、クリーンな米粉パンだとは言えない。そこをきっちりクリアしている商品だけを発売している」と述べた。

<やさしごはん新商品>

「トップバリュ やさしごはん」の新商品は6月12日に「イオン」「イオンスタイル」「マックスバリュ」など約1060店舗で発売。特定原材料8品目を使用していない12品目が新たに登場し、価格帯は税別158円~798円となる。

シリーズ初となる冷凍食品は、自然解凍でも食べられるパン3品目に加え、あらびきドッグ、肉まん、ミニハンバーグ、ポークウインナー、ミートボールなど、子供に人気のメニュー計8品目をラインアップ。常温品では、スティックタイプの焼き菓子2品目と生パスタ風麺2品目を用意した。

このうち、パン3品目と麺2品目のパッケージには、ディズニーのキャラクターをあしらっている。

土谷社長は「鶏肉・卵がアレルゲンのため、豚肉の食品が欲しいという要望があった。そうした顧客のニーズを聞きながら取扱商品を増やしていく」と話す。

<キャベツの芯を使った調味料>

トップバリュでは引き続き、環境に配慮した商品を展開する。5月31日からは、カット野菜などで使用されるキャベツの芯から抽出して加工したエキスを用いた、合わせ調味料を6品発売。全国の約1590店舗で導入し、いずれも1袋(40~60g)88円となる。

本来、キャベツの芯には食物繊維に加えて、栄養分が多く含まれているのと同時に旨味成分を多く含んでいるという。これに着目し、旨味エキスを活用して製品化を目指した。

<低利用魚から黒鯛が登場>

6月12日からは、約450店舗で「もったいないお魚シリーズ」第3弾として「黒鯛」2品目(各498円)が登場。瀬戸内海で養殖海苔や養殖牡蠣を食べてしまう黒鯛を、岡山県寄島漁協と協業して漁獲したものを原料として使用した。漁獲後にしっかりと処理したことで身は臭みが少なく、さっぱりしながらも脂のりを感じられる。

高橋本部長は「黒鯛は一年中販売するわけでは無い。大量に獲れて、仕入れたタイミングで加工・冷凍する。お魚シリーズは年間を通じて、時期ごとに魚種を替えて展開していく」と説明している。

<段ボールをリサイクル>

また、5月31日から「ダンボールをリサイクルしたやわらかトイレットペーパー」(478円)も発売する。「紙をとことん最後まで使い切る」ことを目標に、国内のPBでは初めてダンボール古紙原料を50%以上使用するトイレットペーパーを開発。強度を持たせるため、段ボールに特定の古紙を配合。やわらかな肌触りを実現し、無漂白で自然な色合いに仕上げた。

■トップバリュサステナブル
https://www.topvalu.net/tv-sustainable/

取材・執筆 古川勝平

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