何となく面白そう…自治会の世界に飛び込んだ34歳 戦後初の女性区長に「老若男女巻き込みたい」

 【与那原】与那原町の上与那原区で4月から、仲村優香(ゆか)さん(34)が区長を務めている。同区としては戦後初の女性区長。子育て応援のフリーマガジンを発行して約15年たつNPO法人「たいようのえくぼ」の代表で、子どもが3人いる。末っ子は自宅で出産したといい「運玉森(うんたまむい)を見ながら踏ん張ってました」と笑う。NPOでも行政でも民間企業でもない「自治会の世界」は何となく面白そうだと思い、飛び込んだという。(南部報道部・平島夏実)

 豊見城市出身。夫の会社に近い上与那原区に引っ越して7年になる。「そういえば私、自治会入ってないや」と思い立ったのは数年たってからだった。

 地域とつながりたい一方、自治会が普段何をしているのか情報が入ってこない。公民館へ見に行けば分かると思うが、毎日開いているわけではないし、仕事や子育てで忙しい。払った自治会費は本当に還元されるんだろうか。つい、目の前の子どもの食費や来月の電気代の支払いを優先させたくなる。「ずっとモヤモヤしていました」

 自治会に入る気になったのは「文句ばかり言っているのは良くないな」と考えたから。ママ友でもあるNPO法人の仲間が与那原町内で区長になり、子どもとお年寄りが一緒に楽しめるイベントを毎月企画している姿にも刺激を受けた。

 ことし4月、当時の上与那原区長の新里敏昭さんの勧めで区長職を引き受けた。「先輩方が回してきてくださった『自治会』というモデルを大切にしながら、老若男女を巻きこんでカチャーして(かき回して)いきたい」と仲村さんは言う。もう一度、運玉森を見ながら踏ん張る覚悟だ。

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