反対多数…男女別学の埼玉県立高校“共学化”論争、別学12校の保護者ら独自アンケート 生徒減少と共学化、分けて議論して…意見書を提出「子どもたちの背中を押してあげたい」 

依田英樹高校改革統括監(右から3人目)に意見書などを手渡す県立男女別学高校の保護者代表ら=30日、県庁

 埼玉県立男女別学高校の「共学化」議論を巡って30日、浦和高校など県立別学校の保護者代表ら5人が県庁で県教育委員会に意見書などを提出した。

 意見書は別学12校の保護者代表らの連名で、大野元裕知事、日吉亨教育長宛て。共学化を勧告した県男女共同参画苦情処理委員に県教委が8月末までに提出する報告に関して、保護者らの意見を十分検討することなどを求めた。

 浦和高校のほか浦和第一女子、久喜、熊谷女子、松山の4校の代表保護者が県庁を訪れ、県教委の依田英樹高校改革統括監に意見書と各校の保護者の意見をまとめた資料を手渡した。

 意見書では県苦情処理委への報告に対し(1)苦情の趣旨と男女共同参画の推進の観点から行うこと(2)提出資料を十分検討した上で行うこと―の2点を要望。浦和第一女子の保護者代表の男性は「生徒数、人口の減少の議論と(共学化の議論は)セパレートに議論してほしい」とした。

 また資料では、各校保護者が独自に行った共学化の賛否を問うアンケートを添付し、いずれも共学化反対の意見が多数であることを示した。このほか保護者から集めた別学の意義、勧告への疑問、憲法などに照らした意見も添付した。

 浦和高校の保護者代表の男性は「(別学校に通う)子どもたちの背中を押してあげたい。12校の保護者の思いをくみ取ってほしい」と話した。

 依田高校改革統括監は「意見をしっかり知事、教育長、教育委員に報告し、協議の資料にする」と述べた。

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