基地騒音で移転希望、岡三沢住民の8割

 青森県三沢市は31日、三沢基地に隣接し戦闘機などの騒音に悩まされてきた岡三沢5、6丁目住民への独自アンケート結果を公表、8割近くが移転を希望していることを明らかにした。同日、報告を受けた市議会基地対策特別委員会は「早く移転したい-という住民の思いが(高い数値で)反映された」と受け止めた。

 アンケートは移転が正式に決定した際、土地の確保など移転先の整備に要する時間を短縮する目的で行われた。移転には、市が移転先を整備して決める「集団移転」と、個人で移転先を選ぶ「個人移転」の二つがある。

 アンケート対象は岡三沢地区の108世帯で、93世帯から有効な回答が寄せられた。「現在住む場所からの移転を希望する」と答えたのは73世帯。このうち集団移転を望む世帯は5割超で、個人移転を望む世帯は4割近くだった。自由回答には「高齢なので、この先が不安」「移転先は市街地から遠くならないでほしい」といった意見が記されていた。基地対策特別委の小比類巻雅彦委員長は取材に対し「早期の移転実現を、国に強く要望していく」と語った。

 国は2023、24年度の2年間、基地周辺の騒音について本格調査を実施。データを精査し、25年度中に見直した移転対象区域を告示する。

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