SixTONES、ラーメン作り動画に表れるグループの良さ 互いを尊重し合うスタンスが見えるものに

5月17日に、SixTONESの公式YouTubeチャンネルで公開された動画「【イチから豚骨ラーメン作ります】こんなに楽しい企画はなかった!!」が、再生回数125万回(※5月28日時点)を突破し、各所で「面白すぎる」と話題を集めている。この企画は、チームに分かれて豚骨ラーメンを作る……というわりとシンプルなものなのだが、SixTONESの良さが前面に出ていることで、見応えたっぷりの動画に仕上がっている。

本稿ではこの動画が好評の理由を分析しながら、あらためてメンバーそれぞれの魅力についても触れていきたいと思う。

まず、この企画の発端は、新年に公開された動画「【ガチリアルな忘年会】念願の小籠包でメシ会」において、森本慎太郎が「自家製の豚骨ラーメンをメンバーにふるまいたい!」と発言したこと。そこに、実は豚骨ラーメン作りの経験者という髙地優吾が「髄液とった?」とちょっぴり上から目線でツッコミを入れたことで、今回のバトル形式が成立。醤油豚骨ラーメンを作りたい森本チームには田中樹と松村北斗が、横浜家系ラーメンを目指す“髄兄”こと髙地率いるチームにはジェシーと京本大我が加わり、バトル形式でラーメンを作ることに。リーダーによって、チームの雰囲気がまったく異なるのも面白かった。

まず、“髄兄”こと髙地チームのやり取りを見ていて印象に残ったのは、髙地の“ダディ感”。髙地がラーメンを作る上でまず取り掛かったのは、自由奔放なジェシーと京本に役割を与えること。2人に小鍋のケアを託して、火加減やゆで卵の様子を見てもらっている間に、自分は成功の鍵を握る寸胴鍋に集中する。ここまでの持っていき方があまりにも自然すぎて、まるで大家族の父に密着したドキュメンタリーのよう。

また、京本の料理の腕が着実に進化しているのにも驚かされた。デビュー前、ジュニア公式YouTubeチャンネルで公開された「【ドライブ旅】奥多摩編BBQ & サプライズ!」では、焼きそばの上にプリンをトッピングした“プリン山大作戦”という独特な感性の料理を披露し、メンバーを青ざめさせていた京本。しかし、今回は見事な味付け卵を完成させることができていた。

ジェシーが京本の前で弟っぽい姿を垣間見せていたのもめずらしい。「俺が肉入れたから!」(ジェシー)、「俺が2個目作るって言った!」(京本)と、2人が兄弟喧嘩のような小競り合いを繰り広げているなかで、「もう~」と呆れ顔を見せながら豚骨スープと向き合っていた髙地。結局、「それだけみんなの想いが入ってるってことだよ」という松村の一言で、あっさり納得するほっこりした空気もSixTONESらしい。

一方、森本リーダーは髙地とは違い、年上の田中・松村にだいぶ押され気味。最初は、「(前に家で作った)豚骨ラーメンをみんなに振る舞いたい! あの感動をみんなにも味わってほしい!」というスタンスだったのに、田中と松村の意見を取り入れすぎて「家で作ったやつとは、まったく違うけど。このまま行ってみようぜ!」と結局“別モノ”を作ることになってしまったのが面白い。師匠側のポジションだったはずなのに、松村から「豚骨は臭さが大切だから」とアドバイスを受けていたのにも笑ってしまった。

ただ、その柔軟さもSixTONESの魅力のひとつ。楽しむことが好きな彼らだからこそ、それぞれが周りの意見を取り入れながら、最善の方向に持っていくのがうまいように感じる。みんなが楽しめて、みんなが心地よくいられるためにはどうすればいいのか? “自分”ではなく、“みんな”ファーストな6人が集まっているからこそ、彼らのYouTubeは観ていて癒される。髙地チームの豚骨ラーメンを食べたあと、「なんでお前ら、店出してないの?」と褒めちぎっていた田中。結局、対決だったはずが最終的に順位をつけることもせず、“みんな違ってみんないい”で終わるところに、SixTONESらしさが詰まっているような気がした。

(文=菜本かな)

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