「革命すぎませんか!?」 読書でありがちなモヤモヤを解消する名案に8.6万“いいね”の反響

本好きを悩ませる海外ミステリー“あるある”が…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

ファンが多いミステリー小説。複雑に張りめぐらされた伏線に、思いがけないトリックや魅力的なキャラクターなど、読み始めると続きが気になります。ただ、登場人物が多かったり、海外作品でなじみのない名前だったりすると混乱してしまうことも。そんなモヤモヤを解決するライフハックがX(ツイッター)に投稿され、大きな反響を集めています。投稿者のan(@antmystery)さんに詳しいお話を伺いました。

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「これで挫折せずに読めそう。真似します」の声も

「月3、4冊海外ミステリー読むマンのライフハックです」

そんなコメントとともに投稿されたのは、開いた文庫本に、びっしりと文字が記されたしおりが挟んである1枚の写真です。本は海外のミステリー小説で、しおりには登場人物の名前と簡単なプロフィールが書かれています。複雑なキャラクターがひとめでわかり、これがあれば読書中に「誰だっけ……」となるのを解消できそうです。

本好きが思わずうなる、しおりを使ったライフハックには8.6万件もの“いいね”が集まりました。リプライ(返信)には、「革命すぎませんか!?!? 参考にします」「天才 これで挫折せずに読めそう。真似します」「天才の発想。20年前の俺に教えてあげたい」「なるほど! 名案ですね、これは!」「登場人物が多い物語に必要なライフハックですね」といった称賛の声が寄せられています。

また、外国人の名前は愛称の法則が複雑なことから、「突然ビルになるウィリアムの罠」「エリザベス→ベス(リズはちょっとツラい)はともかく アン→ナンシーは無理!」「わぁ! すごいライフハックですね! キャシーとキャリーが出てきて、こいつら誰だっけってめっちゃなってました」「本好きな方でも、カタカナの人の名前覚えられないんですね……安心しました……(ハリー・ポッターで挫折した人より)」と共感する声が多数。

ほかにも「私は日本の作家さんでも登場人物がたくさん登場すると覚えられないタイプなので、相関図とか書いたりします」「大切……!! 昔、三国志を読んでいて、途中から人物や相関図がわからなくなり辞めてしまったけれど、この方法なら読めそう……!」「平家物語、ドストエフスキーの小説を読むにも使える」と、海外ミステリー以外でも使えそうという声も上がっています。

本棚が高額なため「200円のリンゴ箱3つ重ねて本棚兼、食器棚兼、キッチンカウンターにしてる」というアイデアも素敵【写真提供:an(@antmystery)さん】

「本にメモを挟むなら、しおりサイズ」 直感から生まれた名案

画期的なライフハックを投稿したのは、「読書好きとSNSでつながりたい」と1か月ほど前にXのアカウントを作ったanさんです。自身が読んだ本の記録だけでなく、パーソナリティが伝わる投稿をしようと考えたとき、自作のしおりが「珍しいのでは」と思い撮影しました。

登場人物が多いと、読んでいる途中で誰が誰だかわからなくなるケースは多いでしょう。anさんも以前は、冒頭の人物紹介をたびたび確認しながら読んでいたそう。確認しやすくするため、人物紹介ページに付箋を貼るほか、スマートフォンでページを撮影するなど工夫を凝らしていました。ただ、それらの方法だと集中が途切れてしまい、物語に没入できません。

anさんは登場人物のメモを作ることを考え、直感的に「本にメモを挟むなら、しおりサイズにするのが良いな」と思ったのだとか。そうして半年ほど前から、特別登場人物が多い作品ではしおりを自作するようになったといいます。

投稿写真で読んでいるのはエラリー・クイーン「ギリシャ棺の秘密」(角川文庫刊)【写真提供:an(@antmystery)さん】

制作のコツについてツリーで「その辺の封筒がしおりと同等の強度で使い心地良いです。(貧乏人ハック)」と、ウィットを感じさせるコメントも。ほかの投稿ではリンゴ箱を使っての本棚の自作など、プチプラでもセンスの良いアイデアが豊富なようです。

そんなanさんは、国内外を問わず読者への挑戦状付きのミステリーが好きなのだとか。「頑張って考えるほど、解決パートを読む感動はひとしおです。なるべく隅々まで理解しながら読みたいと思うのも、しおりを作った原動力のひとつかもしれません」と、大きな話題を呼んだライフハックが生まれた理由を推測。

今回の大反響については、なにげなく投稿した写真が多くの人に届いたことに驚きを感じているそう。さらに「身の回りに読書が趣味という人がほとんどおらず、本を読むのが好きな人がこんなにたくさんいるのかと思い、うれしかったです」と話します。

アイデアを共有して、多くの「読書好きとSNSでつながりたい」を実現したanさん。これからも、胸が高鳴る謎解きとたくさんの本好きさんたちとの出会いが楽しめそうですね。

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