一台でも多く走って…日本版ライドシェア、1日から乗務を開始 埼玉県南の9市町、不足車両数の5割を配分

ライドシェアの運行テストで、配車アプリを操作するつばめタクシーの上滝幸平さん=5月31日午後、さいたま市浦和区

 一般ドライバーが自家用車などを使って有償で客を運ぶ「日本版ライドシェア(自家用車活用事業)」について、埼玉県南中央交通圏(さいたま市などの9市町)を管轄する関東運輸局埼玉運輸支局は5月31日付で、同圏に営業所を置く7社からの申請を許可した。つばめタクシー(さいたま市浦和区)では同日午後5時から運行テストを実施。同社の佐野航専務は「事業者として足りない実感はあった。一台でも多く走っていただければ」と話し、研修を終えた数人のドライバーが1日から乗務を開始するという。

 国土交通省がタクシー配車アプリのデータに基づいて調査を行い、4月26日に公表したマッチング率90%を確保するために必要な同圏の不足車両数は、金、土、日曜の午後5時~翌午前6時で580台(最小マッチング率42%)、火~金曜の午前0時~5時で140台(同75%)だった。

 今回の実施では不足車両数の5割を配分し、残り5割は見直しのタイミングで一定数を各社に配分するとされている。埼玉運輸支局によると、県南中央交通圏を対象とした意向調査は4月26日から5月10日まで行われ、同圏の23社27営業所から配分を上回る希望台数が示された。

 つばめタクシーでは5月16日からドライバーを募集し、20~65歳の45人ほどが面接に来社。合格したドライバーは健康診断と入社手続きを経て、5時間の電子機器学習、2時間の初任適性診断、3時間以上の実地研修を行った上で乗務を開始する。

 運行テストを行った営業部の上滝幸平さん(25)は面接官や研修の指導役を担っており、「未経験の方々に寄り添った教育をしないといけない。自分の中の当たり前を排除して、今後の教育を見据えながら運行してみたい」と話した。

 県南中央交通圏以外の交通圏でも法人タクシー事業者が実施の意向を示した場合は、意向調査が行われる。

 7日付で申請が許可された事業者は次の通り。

 日本交通埼玉▽つばめタクシー▽東浦和交通▽浦和自動車▽昭和交通▽山手観光自動車▽山手タクシー

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