中国で第一世代の「子なし夫婦」が老後の心配を始める

中国のSNSで最近、「最初のディンクス夫婦の現状はどうなっているのか」が話題になりました。写真は蘇州の住宅。

最近、中国で最も人気のあるSNSの一つである微博(ウェイボー)で「最初のディンクス夫婦の現状はどうなっているのか」が話題になりました。

あるブロガーが、中国の第一世代「子なし夫婦(DINKs世帯)」に属する60歳の一組の夫婦にインタビューしました。「今となってはDINKsを選んだことを後悔しているか」という心からの問いに、奥さんは「後悔はしていない。これは正しい選択だった」と主張しています。しかしご主人はDINKsになろうとする若者たちに、「結婚すべき時に結婚し、子供を産むべき時には産むように 」と忠告しました。

DINKとは、英語のDINK(Dual Income No Kidsの略)の音訳で、夫婦共働きで共に収入があり、子どもを持たないという意味です。中国の有名な社会学者である李銀河氏は、「DINKsの社会学用語は『自発的不妊』であり、『自発的』が強調されている」と指摘しています。

統計によると、DINKという概念は1980年代に中国に伝わりました。中国には2021年時点で60万組を超えるDINKs世帯がありましたが、2022年にはDINKs世帯の人口はさらに増加し、総人口の約14%を占めるようになりました。

あるネットユーザーは、「実は老後が問題なのではなく、終末期の世話や死後の弔事、老後の付き添いが問題だ」とコメントしています。「実際には、老後のことを思い悩むのは子供がいてもいなくても変わらない。子どもがよほど優秀で、親が老後も衣食住に事欠かないような大金を稼げる人でない限り、子どもが成人してもすねをかじられることになるかもしれない。つまり、老後については、老後の資金がありさえすれば心配はないが、お金がなければ、例え子どもがいても老後の心配は同じだ」とコメントしています。

30~40年前には子どもを産まないことを選択した第一世代のDINKs家庭が今、老後を迎えようとしています。こうしたDINKs家庭が徐々に老後の段階を迎えるにつれ、老後問題はますます社会の注目を集めることになります。(提供/CRI)

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