「これ以上ない最悪」なぜ鎌田大地とラツィオの交渉は決裂したのか。地元記者が舞台裏を明かす「すべてが悲しい話」

鎌田大地のラツィオでの冒険は、1年と経たずして終わりを迎えることになった。

契約を延長するか注目されていた鎌田について、ラツィオのアンジェロ・ファビアーニSDは5月31日、延長オプション行使も新契約締結もないと明かした。つまり、1年契約の満了をもって鎌田が退団するということだ。

シーズンの大半で出場機会に恵まれなかった鎌田だが、イゴール・トゥドール監督の就任後は状況が一変。チームの中心となり、指揮官から大きな賛辞を寄せられていた。来季も指揮をとるトゥドールから、強く残留を望まれていたと伝えられている。

それだけに、一時は残留確実とも報じられた鎌田だが、最終的にクラブとは合意に至らず。ファビアーニSDは選手サイドが土壇場で条件変更を求めたとして、「無礼」だと非難した。

ジューリオ・カルドーネ記者は、『Radiosei』で「ラツィオはカマダが3年延長オプションを行使することを望んだ。カマダは1年だけを望んだ」と報じている。

「そこでラツィオは2000万ユーロ(約31億円)のバイアウトを提案。そうすることで適切なオファーがあれば出ていく自由になる。一方でカマダは500~700万ユーロ(約7億8000万~10億9000万円)を望んだ。ラツィオは受け入れなかった」

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同記者は「選手をショーケースに出して価値を高め、そのおかげもあって2か月後に別れることになったのは残念だ」と、鎌田の退団に落胆を表した。

「正直にならなければいけない。これ以上ないという最悪だ。カマダが去っても代役が準備できているなら、トゥドールにとって大きな問題はないだろう。だが、ラツィオはそういうリアクションの準備ができているのだろうか?」

また、アルベルト・アッバーテ記者も「深刻なことが起きた」と述べている。

「すべてが悲しい話だ。誰が正しく、誰が間違っていたかの問題じゃない。この件をどう管理したかが問題だった」

ファビアーニSDの言い分が正しいかは分からない。鎌田陣営にも主張があるだろう。ただ、鎌田のラツィオでのキャリアがすっきりと終わらなかったのは確かだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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