談笑中に意識を失った60代男性の命を救った2人の女性 緊急事態に蘇ったのは以前受けた講習の記憶だった 出水市消防本部が感謝状贈る

戸崎博貴消防長(左)から感謝状を贈られた福丸裕子さん(中央)と下村佳代子さん=5月30日、出水市消防本部

 鹿児島県出水市消防本部は5月30日、意識を失った鹿児島市の60代男性を素早い好連携で救った生協コープかごしま職員の福丸裕子さん(65)=同市錦江台1丁目=と、同組合員の下村佳代子さん(57)=出水市高尾野町柴引=に感謝状を贈った。

 2人と男性は4月26日午後2時25分ごろ、生協コープかごしま出水店2階集会室で会合し食事後、菓子を食べながら談話。ところが、男性が突然苦しがり、自分の背中をたたき出した。2人は食べ物を詰まらせたと思い、福丸さんが男性の背中をたたき、腹部を下から上に突き上げた。その後、意識を失ったため、下村さんが119番した。

 通信司令員の指示で福丸さんが心臓マッサージを開始。下村さんは1階店舗に助けを呼びに行った。のちに男性は詰まらせていたあく巻きを吐き出し、救急車で搬送された。現在は社会復帰している。

 市消防本部で感謝状を手渡した戸崎博貴消防長(56)は「2人の迅速な手当てや通報が命をつないだ」とあいさつ。福丸さんは「これまで受けていた普通救命講習が記憶にあり、必死だった。意識を取り戻したときはほっとした」。下村さんは「福丸さんがいたことと、消防の適切な指示で落ち着いて動けたと思う。助かって何より」と語った。

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