小芝風花9時→福原遥10時、日テレ「2大国民的女優」7月期土曜ドラマ投入の裏にコア視聴率0%台枠存亡の危機

小芝風花、福原遥 (C)ピンズバNEWS

現在放送中の4月クール、日本テレビでは土曜日夜に今田美桜(27)主演の『花咲舞が黙ってない』と、SixTONESの森本慎太郎(26)主演の『街並み照らすヤツら』――2本の連続ドラマが「土ドラ9」と「土ドラ10」枠で放送されている。

この2枠だが、次の7月クールには華やかな若手人気女優が主演にキャスティングされていて、注目を集めている。

7月期「土ドラ9」枠で放送されるのは、小芝風花(27)主演の『GO HOME~警視庁身元不明人相談室~』。身元不明の遺体を家族の元に帰すことが役目の「警視庁身元不明人相談室」を舞台に繰り広げられる、ミステリーヒューマンドラマだ。

そして、「土ドラ10」枠で放送されるのが、福原遥(25)主演の『マル秘の密子さん』。福原が演じるのは謎に包まれた“トータルコーディネーター・本宮密子”で、これまでの福原のイメージとは違うダークヒロインだと紹介されている。

「小芝さんと福原さん。2人とも若くて勢いもあり、奇しくも横浜流星さん(27)主演で2025年放送予定のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』に出演するという共通点もある。NHKの朝ドラにも出演歴があり、国民的女優と言っても決して過言ではない2人ですよね」(テレビ誌編集者)

福原は22年度後期の朝ドラ『舞いあがれ!』で主演、小芝は15年度後期の朝ドラ『あさが来た』で、主演・波瑠(32)の娘役で出演していた。福原と小芝はそれ以外にも多くのNHK作品に出演していて、演技力だけでなく、イメージも非常に良い俳優である。

■4月期の土ドラは2枠とも厳しい数字

放送前から小芝と福原の“べらぼうリレー”は注目を集めていて、

《夏の日テレ土曜日は、土9が小芝風花ちゃんで土10が福原遥ちゃん!好きな2人が連続で見れるなんて嬉しいなぁ!内容も戦うヒロインっぽくて面白そうで楽しみ!》
《小芝風花ちゃんも、福原遥ちゃんも7月期の連ドラ主演なん!日テレさんよ…さすがやな。》

といった期待の声がX(旧ツイッター)に多く寄せられているのだが――制作会社関係者は話す。

「視聴者だけではなく、日テレサイドも本当に小芝・福原ペアに同局の土曜日を託し、期待しているところはあるでしょうね。日テレは今年4月に大幅な改編を行ない、土曜ドラマの枠を増設。従来の土10枠に加えて土9枠を新設して、その第1弾が今田さんの『花咲舞が黙ってない』だった。

しかし、現在放送中の4月クールは『花咲舞が黙ってない』も『街並み照らすヤツら』も低調で、コア視聴率は枠の存続も危ういような非常に低い数字になっているんですよね……」

コア視聴率は、現在のテレビ界が最重要している13~49歳の個人視聴率のこと。この数字がCM単価に直結するとされ、特に日テレはこの4月から“各番組の評価はコアのみ”となったという。

しかし、5月25日に放送された『花咲舞』の第7話はコア視聴率1.8%(関東地区/ビデオリサーチ調べ)、『街並み照らすヤツら』の第5話にいたっては0.8%……。1%台と0%台という、非常に厳しい状況である。

「4月のコア視聴率トップのTBS日曜劇場の『アンチヒーロー』は、4%を優に超える数字を叩き出しますから、日テレの2つの土曜ドラマがいかに厳しいかは分かりますよね。

数字が取れない理由はさまざま言われています。1つは、『花咲舞』の直前の時間帯で4月13日からスタートした音楽番組『with MUSIC』(夜8時~)が当初、数字が全く上がらず、後に続く『花咲舞』と、『街並み照らすヤツら』にも影響が出たこと。

そして、ドラマそれぞれでは、『花咲舞』は過去作の存在、『街並み照らすヤツら』は番組制作の経緯が、不振の原因と見られていますね」(前同)

■『花咲舞』は“2代目”の宿命、『街並み』は制作経緯が低視聴率の原因か

『花咲舞』は、堺雅人(50)主演の『半沢直樹』(TBS系)シリーズの作者・池井戸潤氏の小説が原作のドラマ。2014年4月期と15年7月期には杏(38)主演で実写化されている。

「杏さんが超ハマり役だったのでどうしてもハードルが上がってしまい、比較されてしまった。そのために、今田さんの『花咲舞』は伸び悩んでいるところがありますよね」(前出の制作会社関係者)

一方の『街並み照らすヤツら』は、当初違うドラマを予定していたが制作ができなくなり、突貫工事で作ったドラマとして知られる。

日テレは、この4月期の「土ドラ10」枠では“小学館の漫画原作のドラマ”を放送する予定だった。一部ではムロツヨシ(48)が主演、西炯子氏の漫画が原作の『たーたん』だったと報じられている。

しかし、23年10月期に同局が『セクシー田中さん』(小学館)を実写化した際に、原作者の漫画家・芦原妃名子さん(享年50)と原作改変を巡るトラブルが勃発し、今年1月に芦原さんが逝去する事態に。重く受け止めた日テレは2月22日に“小学館の漫画原作のドラマ”の制作見送りを発表し、3月21日に『街並み照らすヤツら』の制作を発表――という流れがあった。

「『街並み照らすヤツら』は、脚本作り、キャスティング含めて超急造だったのは間違いなく、舞台がシャッター商店街でスケール感が小さかったり、俳優陣も分かりやすく数字が狙えるスター的な存在がいなかったりと、全体的に弱いドラマになってしまいましたよね。

日テレは、バラエティでは他局の追随を許さない“コア視聴率王”ですがドラマは伸び悩んでいて、特に現在、土9・10枠は深刻。現状のような数字が続くのなら、ドラマ枠の存続も危ういでしょう。この状況を打破するためにも、次の7月クールに小芝さんと福原さんという2大国民的女優を主演に投入し、枠の復活に賭けるところがあるのではないでしょうか」(前同)

日テレは5月31日、『セクシー田中さん』の原作者・芦原さんが急逝した件の社内特別調査チームによる調査報告書を公表したが、識者を含め多く人から“反省していない”という厳しい意見が多数寄せられる事態となっている。

強い逆風が吹く日テレドラマ――そのなかでも特に危うい土曜日の枠を、小芝と福原、2人の国民的女優は牽引できるだろうか。

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