富山県の美術公募展「第79回県展」が1日、県民会館で開幕した。日本画、洋画、彫刻、工芸、書、写真の6部門の入賞・入選作と会員出品の計782点を展示。みずみずしい感性を生かした若手の意欲作から技巧が光るベテランの力作までが一堂にそろい、美術ファンが熱心に見入った。7日まで。
この日は各部門の県外審査員が講評を行った。日本画は日本芸術院会員の村居正之さん(大阪)が解説。大賞に輝いた正和(しょうわ)淳子さん(富山)の「朝涼(あさすず)」を前に「繊細なタッチで、水面の映り込みをうまく描いている」と語った。
洋画は自由美術協会員の醍醐イサムさん(埼玉)が、河合雅子さん(射水)の大賞受賞作「春のことぶれ」について「言葉で考える以上に表現が胸に迫る。これこそが絵画の本質」と述べた。大勢の人が真剣な表情で聞き入り、会場は活気にあふれた。
開会式もあり、関係者がテープカットを行った。彫刻を審査した日本芸術院会員の宮瀬富之さん(京都)は「富山の美術は高い水準にある。これからも精進してほしい」と話した。
入場無料。2日午後1時から実行委員と県内審査員による作品解説を行う。県や県美術連合会、県芸術文化協会、北日本新聞社などでつくる実行委員会主催。