災害リスク再認識を 富山県の立山砂防博物館で特別展

地震による土砂災害をテーマにしたパネル(右)と液状化リスクの高い場所を示す巨大地図(奥)=立山カルデラ砂防博物館

 立山カルデラ砂防博物館(富山県立山町芦峅寺)は、能登半島地震で発生した石川、富山両県の土砂災害を紹介するパネルを作成し、1日から特別展で展示を始めた。液状化の可能性が高い場所などを記した巨大地図も並べ、地震のリスクへの正しい理解を呼びかけている。

 土砂災害のパネルは、竹内章富山大名誉教授が監修。石川県珠洲市の国道249号の斜面崩壊のほか、輪島市の地滑りによる大規模なせき止め湖の発生と同市の中屋トンネルの損壊、富山県小矢部市の国道359号の道路崩落などについて分析し、その特徴を紹介している。

 福井幸太郎学芸課課長補佐は「地震と土砂災害はセット。改めて地震のリスクを認識してほしい」と話している。

 県内各地で液状化被害が発生したことを踏まえ、国土地理院の「治水地形分類図」をつなぎ合わせた巨大地図も展示。液状化のリスクの高い旧河川流路を示したもので、今後は発生地点を落とし込む。自治体の液状化のハザードマップも紹介する。

 30日までの特別展では、県内で確認されている活断層が一目で分かる巨大地図も紹介。昨年6月に能登半島で地震が頻発したことを受けて作成した。12日には関連行事で、竹内名誉教授を講師に招いた講演会を県防災危機管理センターで開く。

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