経団連が原発再稼働・新増設推進を政府に要請

 岸田文雄総理は30日開いた国内投資拡大のための官民連携フォーラムで「今年度の国内投資は100兆円にまで拡大見込み」とし「2027年115兆円という目標を官民連携で必ず達成できるようにしたい」と語った。

岸田総理は「日本経済が成長型経済へ移行する変化の兆しが見られる」とし、その動きを確実にするために官民連携の積極的な投資が重要との考えを強調。「積極的投資によって、日本から世界に打って出る、将来の飯の種を生み出す。(富山県滑川市の工作機械・ロボット開発などを手掛ける)スギノマシンが富山に根ざして世界で稼ぎ、人を育てる姿は中堅企業のモデルケース」と評した。

 また「バイオ、半導体といった成長分野についても帝人やラピダスがチャレンジされている。こうした意欲的な投資判断を加速するため、政府も継続的に後押ししていく」と語った。

 岸田総理は「成長型経済実現のために業種内・業種間の人の奪い合いでなく、生産性向上による拡大均衡を通じて人手不足を解消していくことが必要」とも語り「中長期を見据えて、AI(人工知能)・ロボット等の革新的技術の開発や活用を促す規制・制度改革を進めるのと並行し、足下から既にある良い技術や取組みを普及させていく」との考えも強調した。

 この日の会合で日本経済団体連合会の十倉雅和会長は「日本産業の再飛躍へ」と題した提出資料でエネルギーについて「原⼦⼒の積極的推進等によるエネルギーの安価安定供給」を求めた。

 十倉会長は「原⼦⼒の積極的な推進と最⼤限の活⽤が必要不可⽋かつ極めて重要」などとし「原⼦⼒規制委員会により安全性が確認された原発の早期再稼働、核燃料サイクルの確⽴、リプレース・新増設推進。次世代⾰新炉の開発・実装に向けた抜本的⽀援強化」など原発推進を強調した。政府の3年ごとの「エネルギー基本計画」見直しに照準を合わせた経団連からの要求とみられる。(編集担当:森高龍二)

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