北京で開業の蔦屋書店、人気の一方で「サンプル本少ない」とのクレームも―中国メディア

30日、北京商報は、北京市で開業した「TSUTAYA BOOKSTORE」が人気を集める一方で、店の対応へのクレームも寄せられていることを報じた。

2024年5月30日、北京商報は、北京市で開業した「TSUTAYA BOOKSTORE」が人気を集める一方で、店の対応へのクレームも寄せられていることを報じた。

記事は、同市朝陽区に4月20日にオープンした同書店がネット上で人気を集めている一方で、ある消費者の女性が「初めて本を購入した際に、想像よりも良くないと感じる経験をした」と不満をこぼしていることを伝えた。

女性によると「店員の黙認を得て本のビニールカバーを取ろうとしたら本を破いてしまい、全額賠償を求められた」という。店内で面白そうな本を見つけて内容を確認したいと思ったものの、自由に見られるサンプル本がなく、陳列品には全てビニールカバーがついていたとのこと。そこで店員に「本を開けてもらえませんか」と聞いたところこの店員は自ら開封せず、女性自身で開封することを黙認。女性が自分でカバーを開けようとした際、「手に別の物を持っていて力加減がうまくできず」うっかりページをほんの少し破いてしまった。女性はすぐに店員にその旨を報告し、故意ではなかったことを伝えたものの、店員からは全額賠償を求められたとのことだ。

女性は「物を壊したら賠償するというのは当然のこと」としつつも、「あのときちゃんとサンプル本がおいてあればこんな事にならなかった。しかも店員は私に開封させておいて、破損したら私に全額弁償させた。納得がいかない」としている。

記事は、女性の不満に対して同市にある法律事務所の趙虎(ジャオ・フー)弁護士が「一般的な取引の慣習から言えば、顧客は自身の行為に責任を持つべきであり、顧客の不当な行為で書籍が破損した場合、書店は一定額の賠償を求めることができる」とする一方、書店が顧客に対し十分な提示義務を全うしていなかった場合、顧客の責任の軽減を適宜検討するか、両当事者の交渉によって合理的な解決方法を見つけることができるとの見解を示したことを伝えている。

同書店について記事はまた、実際に店を訪れて確認したところ、ある書棚に陳列されていた47作品129冊の本のうち、閲覧用のサンプルが用意されていたのは17冊のみだったと紹介。調査中には複数の客から「ほとんどビニールでカバーされている。表面だけじゃ買うに値するか判断できない」というつぶやきが聞かれたとした。さらに、ある消費系ソーシャルプラットフォームには5月30日現在で同書店に関する評価が635件寄せられており、低評価だった37件のうち36件が「サンプルが少ない」だったと伝えた。(翻訳・編集/川尻)

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