【安田記念】取捨選択のカギは「GⅠ連対経験」にあり ローテーションに見られる特徴は

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GⅠ連対経験がほぼ必須

6月2日に東京競馬場で開催される安田記念(GⅠ・芝1600m)。ソングライン、シュネルマイスターといった強豪が引退し、転換期に入ったマイル路線。昨年の安田記念2着のセリフォスや、マイラーズCで同馬を破ったソウルラッシュが日本馬の代表格だが、今年は6年ぶりに海外馬のロマンチックウォリアー、ヴォイッジバブルが参戦し、例年にも増して難解な一戦になった。

ここでは過去10年のデータからローテーションに見られる特徴を探っていく。

優勝馬の前走レースやローテーションを見ても、まるで共通点が見当たらない。これはマイルはもちろん、短距離、中距離からも強豪たちが集まるからだろう。まるで異種格闘技戦だ。当レースでは過去にJRAのGⅠで連対経験があった馬が【6-9-9-65】。強豪が集まる分、ハイレベル戦での実績が問われる。2020年以降は1~3着馬が全てこの条件に該当していたことから、これは満たしておきたい。

前走レースで際立つのはヴィクトリアマイルの【2-4-0-10】。ただ、ここからの連対馬は、安田記念2連覇を達成したソングライン、アーモンドアイやグランアレグリアといったGⅠを多数勝利した超がつく名牝や、アーモンドアイに先着できるアエロリットと、とにかくレベルが高い。GⅠ・3勝のソダシでも着外に敗れていることを考えれば、ナミュールやフィアスプライドがそのレベルに達しているかの見極めが必要だ。

セリフォス、ソウルラッシュなどのマイラーズC組は前走時の人気がカギ。2番人気以内【1-0-3-10】に対し、3番人気以下が【0-0-1-23】と苦しい。今年はセリフォス、ソウルラッシュが満たしているが、この2頭なら昨年2着のセリフォスを上に取りたい。昨秋は夏場に体調を崩したことから2戦とも着外に敗れたが、前走で復調した姿を見せた。一度叩いてソウルラッシュを逆転するのは決して難しくない。

最後に海外勢。前走海外レースだった馬は【1-3-1-14】複勝率26.3%と悪くない。ただ、前走香港組が【0-1-0-7】に対し、それ以外は【1-2-1-7】。香港組、主に一カ月前に行われる香港チャンピオンズデーからの臨戦組は出走間隔の影響もあってか苦戦している。とはいえ、目下GⅠ・4連勝中のロマンチックウォリアーも香港ダービー馬ヴォイッジバブルも14、16~18年に挑戦してきた海外馬たちと比べて互角以上の実績があり、決して日本馬に引けを取らないだろう。ローテーションのデータ的には割引でも軽視禁物だ。



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