剣道女子団体 島原2年連続V 全国2位の経験「自信に」 長崎県高総体

【剣道女子団体決勝、島原―長崎日大】島原の次鋒中山(左)が面を決める=長与町民体育館

 春の全国準Vで得た自信と、さらに高めた胆力で王座を守った。剣道女子団体は島原が厳しい戦いを勝ち抜いた。試合後、福田監督は「まだ甘い」と一喝すると、すぐに表情を緩めて「やってきたことを出し切って結果につながった。良かったよ」と褒めた。選手たちの目からは、我慢していた涙があふれ出た。
 3月の全国選抜大会で強豪校を連破。わずかな差で日本一に届かなかった悔しさが残る一方、大きな手応えを得た。あと少しで頂点へ手が届く経験をしたことで、島原に帰ってきてからの練習は以前にも増して熱が入った。福田監督は「経験が自信となり、一人一人が頼もしくなった。先行されても巻き返す力がついた」。
 長崎日大との決勝は、その真骨頂を発揮した。主将の先鋒山田が先手を取られる苦しい展開だった。チームは焦らず、むしろ、副主将の次鋒中山の士気は上がった。「今まで(山田)優生に助けてもらっていた。今度は私が取り返す」と返し面で2本勝ち。2年生の中堅時村も面2本を決めてさらに勢いづけた。副将北山は手堅く引き分け、大将松﨑は鮮やかに胴を決めて試合を締めた。
 春より高みへ。チームをけん引する山田と中山は同じ言葉を口にした。「気迫と闘争心で頂点を目指す。そこしか見えていない」。熱い思いを胸に、夏の大舞台に立つ。

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