B1初優勝の広島が船生とマーフィーの移籍発表「優勝の日のことはこれから先ずっと忘れない」

B1リーグ初優勝を果たした広島ドラゴンフライズは6月2日、船生誠也とアイザイア・マーフィーが同30日をもって契約満了となり、退団することを発表した。なお、移籍先はすでに決まっているため自由交渉選手リストには公示されず、近日中に移籍先クラブより入団が発表されるという。

福島県出身で現在30歳の船生は、195センチ90キロのスモールフォワード。前橋育英高校から青山学院大学へと進学し、アイシンシーホース三河(現:シーホース三河)でトップリーグデビューを果たすと、名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、富山グラウジーズ、琉球ゴールデンキングスを経て、2021-22シーズンから広島に加入した。在籍3年目だった今シーズンは、リーグ戦56試合、1試合平均14分44秒に出場し、3.1得点1.8リバウンド1.3アシストをマーク。チャンピオンシップ(CS)では全8試合に途中出場し、チームの初優勝に貢献した。

今シーズン限りでの退団が決まった船生は、2年連続で広島がCSに進出した意味の大きさに触れ、「新たなクラブの歴史を作れたこと本当に良かったですし、優勝の日のことはこれから先ずっと忘れないと思います。最高の景色でした」と歓喜の瞬間を振り返りつつ、優勝直後に移籍することとなり、「正直、悔しい気持ちでいっぱいですが、連覇をする、そのためには変化も必要です」ともコメント。「最後にファイナルの舞台に皆さまを連れていけたこと、優勝という最高の形で恩返しにできて本当に良かったです。皆さん、3年間本当にありがとうございました」と、ファンも含めともに戦った仲間へ感謝した。

沖縄県出身で現在26歳のマーフィーは、196センチ88キロのポイントガード兼シューティングガード。アメリカのイースタン・ニューメキシコ大学から2020年に広島へ入団すると、加入初年度から主力として活躍し、在籍4年目の今シーズンはリーグ戦54試合(うち26試合に先発)出場。1試合平均17分39秒のプレータイムで、4.0得点2.2リバウンド0.7アシスト、3ポイント成功率33.1パーセントを記録し、CSでも出場した8試合中6試合でスターターを務めるなど、存在感を示していた。

2020-21シーズンにBリーグデビューしてから初の移籍となるマーフィーは、「4年間私を受け入れてお世話をしてくれた広島とファンに感謝したいと思います。チームメイト、チームスタッフ、コーチングスタッフにも、私に尽してくれたすべてのことに感謝します。リーグの最下位チームからBリーグチャンピオンになるまでの旅は、私の心に永遠に特別な、信じられない旅でした。皆さんの絶え間ないサポートに感謝しています。ありがとうございました」と、クラブ公式サイトを通じてコメントした。

広島の岡崎修司ゼネラルマネージャーは、両選手の貢献に感謝を示しつつ、新シーズンへ向けて「より専門性を持った選手の編成を進めていくという方針を決定し、今回の決断を早期にいたしておりました」と説明し、船生について「功労者であるがゆえ、早い意思決定と早期の通知をすることで、次のキャリアに繋げてほしいとの思いがありましたが、活躍も計算できる選手でしたので本当に難しい決断となりました」とコメント。マーフィーについても「(2026年開幕予定の)B.PREMIREを見据えた上で、条件面や契約交渉のタイミングなど、さまざまな要素が絡み合う難しい状況となり、結果的には今回発表させていただいた形となりました」と、苦渋の決断を下した背景の一部を明かした。

© 株式会社シーソーゲーム