「あいつら、俺らをなめているよ」大津祐樹がロンドン五輪でのスペイン撃破を回想!「下手くそだから頑張ろう」

元日本代表FWの大津祐樹氏が、鈴木啓太氏のYouTubeチャンネルに出演。2012年のロンドン五輪を振り返った。

関塚隆監督が率いたU-23日本代表は、ロンドン五輪のグループステージ初戦でU-23スペイン代表と対戦。大津氏が奪ったゴールを守り切り1-0で勝利し、大番狂わせを起こした。

大津氏は、戦前には日本の選手たちも劣勢を認めていたと回想。スペインには、ファン・マタ、ハビ・マルティネス、ジョルディ・アルバらが名を連ねていた。

「メンバー表を見て『ヤバくない? 対戦相手、ゲームじゃん。凄い奴らだから、メンバー表見るの止めよう。こんなん見て、相手のことをリスペクトしたら負けちゃうよね』みたいな。『俺ら絶対弱いじゃん、このメンバーより。勝てるわけないじゃん。だから頑張ろうぜ』って言っていました」

合宿所が同じだったスペインの選手たちの態度も、印象的だったという。

「余裕をめちゃくちゃ感じるんですよ。会った時に。『俺らスペインだ』と。超偉そうにしている。なので、結構みんなで『隙あるよな。あいつら、俺らをなめているよ。俺らは下手くそだから頑張ろう』という雰囲気がすごくありました」

【動画】大津祐樹がロンドン五輪を振り返る!
また、日本国内での注目度も低かったという。その点でもチームは奮起していた。

「『悔しくない? ひっくり返していこうぜ』みたいな。チームもすごくまとまっていたので、誰よりも戦う、走ることが、すごくできていたチームでした」

迎えたスペイン戦では、大津氏は34分に扇原貴宏のCKに右足で合わせて決勝弾を叩き込んだ。

「もう無我夢中で、とにかく相手の前に入る形で。ちょうど前のスペースがポカンて空いた。『あ、これ行けるわ』と思いながら。後はとにかく吹かさないように、押さえつけながら『入れ!』って言ったのを覚えています」

強豪相手のアップセットに、試合後は「お祭り」のようだったが、チームは浮足立たなかった。当時を大津氏は「勝ったけど、すごくみんな謙虚なので。『自分らがそういう風にやって来たからだよね』という感じで、『次も絶対勝とうぜ』みたいな。すごく良い雰囲気でした」と明かした。

その後、関塚ジャパンは準決勝まで勝ち進む。結局、メダルは手にできなかったが、堂々の世界4強入りを果たした。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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