【広島】田中広輔の土壇場3ラン実らず…首位陥落 新井監督「相手を褒めるしかない」

ベンチで重い表情の広島・新井監督(左)

土壇場で粘ったが…。広島は2日のソフトバンク戦(みずほペイペイ)に延長10回、3―5のサヨナラ負けで4連敗となった。

今カードでまだタイムリーのない赤ヘル打線は、この日も苦しんだ。相対したベテラン・和田の前に5回まで2安打6三振と沈黙。先発アドゥワも2回に、近藤への先制被弾をきっかけに、3連打で2失点、4回にも連続四球後に柳町に適時打を浴びて3失点と、完全に敗色濃厚の展開だった。だが、9回、ベテラン・田中の一振りで息を吹き返した。

3点を追う9回二死一、二塁、敵の5番手・ヘルナンデスの2球目の外角直球を捉え、右翼席へ起死回生の2号同点3ラン。「いい投手なのは分かっていた。初球インコースに来たので(2球目は)思い切って、踏み込んでいきました」と土壇場で試合を振り出しに戻した。

だが、必死の粘りもここまでだった。延長戦となった10回に6番手でマウンドに上がった島内が、二死一塁から近藤に低めのチェンジアップをすくいあげられ、痛恨のサヨナラ2ラン。島内は「少し甘く入ってしまった」と肩を落とした。

試合後の新井貴浩監督(47)は「本当に広輔がよく打った」と9回のベテランの仕事を褒めたたえつつ、サヨナラ被弾を喫した島内についても「追い込んでから、あの高さをホームランされるんだから。相手を褒めるしかない」と、努めて前を向いた。

今季3度目の同一カード3連敗、今季最多タイの4連敗で首位を陥落。踏ん張りどころだ。

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