ゼレンスキー氏、アジア安保会議で演説 平和サミット支持訴え

Gerry Doyle

[シンガポール 2日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は2日、シンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で演説した。外交がウクライナとロシアの戦争を終わらせる最善の方法だと述べ、今月にスイスで開く「平和サミット」への支持を各国に呼びかけた。

ゼレンスキー氏は、同サミットに106の国や組織が参加を表明したが、一部の国がまだ支持を表明していないのは残念だと発言。ロシアは和平努力を妨害しようとしていると述べた。

演説後の記者会見では、シャングリラ会合で中国代表団に会えず、中国が平和サミットに参加しないことに失望しているとした上で、「残念ながら中国は平和サミットに参加しないように各国に働きかけている」と語った。

シャングリラ会合に出席した中国の董軍国防相は2日、中国はロシアとウクライナのどちらも支援しないよう心掛けてきたと発言。「ウクライナ危機に関して、中国は責任ある態度で和平交渉を推進してきた。どちらの国にも武器を提供していない」と語った。

ゼレンスキー氏はまた、米、ドイツ、オランダなど各国の軍事援助、特に防空システムの提供への謝意を述べた。また、米国が供給した高機動砲兵ロケットシステム(HIMARS)の使用を許可してくれたことに感謝しているが、それだけでは不十分だとも述べた。

ゼレンスキー氏は演説に先立ち、ウクライナのウメロフ国防相とともにオースティン米国防長官と1時間以上会談した。

米国防総省当局者によると、オースティン氏は米政府のウクライナ軍事支援についてゼレンスキー氏に伝え、強力な支援を維持するという米国のコミットメントを再確認した。両氏は米国とウクライナの戦略的防衛パートナーシップをさらに強化することを約束したという。

ゼレンスキー氏はこのほか、インドネシアのプラボウォ・スビアント次期大統領、米国議会の代表団、東ティモールのラモス・ホルタ大統領にも面会したとXに投稿した。

ロシアは2022年以降、シャングリラ会合に代表を派遣していない。

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