“為時”岸谷五朗、宋語の詩暗唱を褒められるも…監督からのひと言に「がっかりした」ワケ【光る君へ】

NHK提供

俳優の吉高由里子さんが主演する大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合・午後8時)の第22回「越前の出会い」が6月2日(日)に放送され、出演者の撮影現場からのコメントが聞ける「君かたり」が公式サイト内で更新された。今回は、まひろの父で越前守(えちぜんのかみ)に任官された藤原為時(ふじわらのためとき)を演じる岸谷五朗さんのコメントを紹介する。(※読みやすいようにコメントを一部修正しております)

「道長さまの希望をかなえなければ」越前に赴いた為時

――越前守になって

岸谷五朗さん(以下、岸谷):当然やる気に満ちていて。

為時さんという人は、人の恩をちゃんと返さなければならないということを常に思っている人。こういうこと(越前守に任命されたこと)になったのは、どなたのおかげでどなたの心配りでありということをちゃんと踏まえている人なので、実はまひろの力があることももちろんわかっているんですけど、でもやっぱり左大臣(道長)さまに対しての恩を相当抱えている。

越前守の職務に就くにあたり、(道長さまの)希望をかなえなければいけないという命(めい)に関して成し遂げようという志だと思うんですけどね。未知なる世界に挑む感じでしょうね。

おそらく作品の中では短いカットですが、みんなで道中ずっと旅をして着くまでの間、心の中いっぱいだったんじゃないかなと思います。

(C)NHK

宋語の詩を暗唱先生からの「95点ですよ」に喜ぶも…

――宋語セリフについて

岸谷:そんなにしゃべるって聞いてなかったので(笑)。為時さんは少ししか分からない人なので「しゃべることはないです」と聞いていたら、漢詩を宋語に変えてみんなの前で発表するっていうシーンがあって、しかも長いんですよ。久しぶりに暗記することに苦労しました。

難しいし、もちろん中国語の先生に習って……すごくうれしかったことは、宋語の詩をバーッと10行くらいの詩を読んだときに宋の発音とかを勉強してやったら、先生が「これ95点ですよ」って言われて「やったー!」と思ったら、監督から「もっと下手にやってください」って言われて(笑)。

せっかく一生懸命先生について勉強したのに独特の言葉のやり方があるんですよね。ちょっと日本語ではない、その辺を随所に先生に指導してもらって。うますぎるからもっと下手にやってくれって。「下手にやれ」って(言われて)こんなにがっかりしたことはありませんでしたね。

(C)NHK

第22回「越前の出会い」あらすじ

敦賀の松原客館に立ち寄ったまひろ(吉高さん)と為時(岸谷さん)は、宋人の朱(浩歌さん)、通事の三国(安井順平さん)らに迎えられる。浜辺に出かけたまひろは、そこで佇む周明(松下洸平さん)と出会う。その夜、国守を歓迎する宴が行われ、まひろは皆と楽しいひと時を過ごす。翌日、越前国府に到着し、大野(徳井優さん)、源光雅(玉置孝匡さん)に出迎えられるが、為時は早々に激務で体調を崩してしまう。医師として現れたのは……。

(C)NHK

『光る君へ』

『光る君へ』は、平安時代中期の貴族社会を舞台に、千年の時を超えるベストセラー『源氏物語』を書き上げた紫式部(まひろ)が主人公。のちの紫式部であるまひろが、藤原道長への思い、そして秘めた情熱とたぐいまれな想像力で「光源氏=光る君」のストーリーを紡いでゆく姿を描く。脚本を手掛けるのは、『セカンドバージン』や『知らなくていいコト』『恋する母たち』などで知られる大石静さんで、今回が2度目の大河ドラマ執筆となる。

THE GOLD 60編集部

© 株式会社幻冬舎ゴールドオンライン