いわきFCあと一歩 仙台と東北ダービー、決定機生かせず

【いわき―仙台】1―2で敗戦したいわき。試合終了後、悔しい表情を見せるイレブン=いわき市・ハワイアンズスタジアムいわき

 サッカーJ2第18節ー。いわきFCは2日、ホームのハワイアンズスタジアムいわき(いわき市)でベガルタ仙台と対戦し、1―2で敗れた。3試合ぶりの黒星で、東日本大震災の被災地となったチーム同士の東北ダービーを勝利で飾ることはできなかった。通算成績を7勝6分け5敗とし、順位は20チーム中8位に後退した。

 いわきは1点を追う後半1分、FW谷村海那のボレーシュートで追い付いた。しかし、再びリードされ、途中出場のMF大迫塁を中心に猛攻を仕掛けたが、追加点を挙げられなかった。

 いわきの次戦は16日。ホームのハワイアンズスタジアムいわきで、12位のヴァンフォーレ甲府と対戦する。午後4時開始予定。

 リーグ戦に先立ち12日には、ソユースタジアム(秋田市)で行われる第104回天皇杯全日本選手権2回戦でJ2のブラウブリッツ秋田と戦う。午後7時開始予定。

 【評】いわきはリードして守りを固める相手を攻略できなかった。前半立ち上がりに仙台にCKで先制されると、相手の守備を前に攻めあぐねた。後半1分にFW谷村の得点で同点としたが、すぐに2度目のリードを許した。その後は仙台が守勢に回ったことから押し込んで決定機を数多くつくったが、最後の精度を欠き逃げ切られた。(小磯佑輔)

 前半のプレーに多くの課題

 複数の決定機がありながら、ものにできず敗れたいわき。試合の中でも、消極的なプレーに終始した前半の戦いに多くの課題が表れた。田村雄三監督は「(相手を押し込んだ)後半のプレーができるからこそ、前半の後ろ向きなプレーは見たくなかった」と振り返り、次戦での巻き返しを誓った。

 「(いわきを相手に)点を取ってからはプレスをかけない方が良いと思った」。仙台の森山佳郎監督の言葉が前半の試合展開を象徴する。相手が積極的にボールを奪いにこず、待ち構えられることでロングボールを封じられる展開は、負けパターンの一つ。いわきに、打開のために相手の守備ブロックを揺さぶるような効果的なパスやポジショニングは見られなかった。

 選手のプレーへの姿勢が輪をかけた。目立ったのがバックパス。思い切りの良い仕掛けやクロスが少なく、得点源の一つであるCKも1本にとどまった。先制点につながった不用意なミスやファウルもなくしたいプレー。最近の失点パターンとなっており、「Jリーグであのミスをしたら試合は難しくなる」などと、この日も複数の選手が課題に挙げた。

 次の公式戦までの1週間以上の時間を、一時期の好調を取り戻すきっかけにしたい。田村監督は「リフレッシュもしながら、課題の解決策を選手に落とし込んでいきたい」と意気込んだ。(小磯佑輔)

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