渋野日向子が“劇的変化”で全米女子OP単独2位! 復活の兆しを作った「3つの要因」

渋野は満面の笑顔(C)ロイター/USA TODAY Sports

【全米女子オープン】最終日

誰がこの成績を予想できただろうか。

通算3アンダーで首位と2打差の4位からスタートした渋野日向子(25)はスコアを2つ落とすも通算1アンダー2位と大健闘した。

シード権を失った今季はスイング改造に取り組み、不安を抱えながらシーズンに入った。ここまで9試合に出場して予選落ち6回と苦戦が続き、今大会前2戦も連続予選落ち。難コースのメジャーで4日間プレーできるとは、本人も思っていなかったかもしれない。

ところが、だ。通算1オーバー5位で予選を通ると3日目に66をマークして通算3アンダー4位で最終日を迎えた。そしてボギー先行の苦しい展開も7番、12番のバーディーで踏みとどまり、2019年の全英女子オープン以来となる2つ目のビッグタイトルも視野に入った。結局、優勝には3打届かなかったものの、劇的変化は復活の足がかりになったことは間違いない。

渋野が今回見せ場をつくった要因はいくつかある。昨年からタッグを組んだ辻村明志コーチの指導がその一つ。

「理想とするドローボールを打ちたいという希望から、昨年の夏前に青木翔コーチの元を離れ、辻村コーチの門を叩いた。辻村氏が指導する上田桃子、吉田優利が質の高いドロー系のボールを打っていたことが大きい。オフには同門の合宿にも参加し、米女子ツアー経験があるベテランの上田からいろんなアドバイスを受けたようです。スイング改造は道半ばですが、いい方向へ向かっていることは間違いない」(ツアー関係者)

渋野のプロデビュー時からプレーを見続けている前出の並木プロは、「昨年よりトップがやや高くなり、左右への曲がりが減った。さらに、今大会は以前の柔らかめのシャフトに替えたことで、ヘッドが戻ってくるようになり、右へのすっぽ抜けがなくなった。その安心感からスイングスピードも上がり、飛距離も出ていた」とこう続ける。

「今年のコースはアップダウンが激しく、グリーンを狙うショットの距離感が難しい。日本や韓国にはこのようなコースが多く、例えば打ち上げで1クラブ上げても、迷いなく打てる。9年前に同コースで行われたときも韓国のチョン・インジが勝っているし、今回も20位以内はほとんどアジア系の選手ばかりでした」

渋野の次戦が楽しみだ。

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