笹生優花が全米女子OP史上最年少V2!優勝賞金3.7億円を手にできた「最大の勝因」プロが分析

記録づくめのV2(C)ロイター/USA TODAY Sports

【全米女子オープン】最終日

笹生優花(22)が快挙を成し遂げた。

日本時間3日の全米女子オープン最終日(米ペンシルベニア州・ランカスターCC=6629ヤード・パー70)。上位陣がスコアメークに苦しむ中、首位に3打差5位からスタートした笹生が5バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの通算4アンダーで逆転勝利。2021年大会に続き、2度目の全米女子オープン制覇を果たした。日本勢によるメジャー2勝は史上初の快挙である。

厳密に言えば、日本とフィリピンの二重国籍だった前回大会はフィリピン人選手、「Yuka SASO」として出場。朴仁妃(韓国)に並ぶ19歳11カ月での史上最年少優勝で世界に衝撃を与えたが、21年11月に日本国籍を選択して臨んだ今大会の22歳11カ月13日での全米女子オープン複数回制覇も史上最年少と記録ずくめのV2となった。

■大号泣で語った家族への感謝

前半を1バーディー、1ダブルボギーの36で折り返した笹生は後半、ドライバー平均266ヤード超の自慢の飛距離を武器に、4バーディー、1ボギーと一気にスコアを伸ばした。勝負の分かれ目になったのは12番パー3。トップに立っていた22年大会覇者のミンジ・リー(豪州)がティーショットを池に落としてダブルボギーとしたこのホールで、笹生はピン横左3メートルにつけてバーディー。首位に並ぶと、13番、15番のバーディーで抜け出した。232ヤードに設定された16番パー4では1オンに成功し、連続バーディー。並木俊明プロがこう言う。

「飛距離はもちろんのこと、笹生はパットやアプローチもうまい。しぶとくパーを拾い、前半5番では左足下がりの難しいアプローチをピンに寄せた。加えて最終日は特に、攻守のメリハリをしっかり意識して戦っていた。リーが池に落とした12番が象徴的で、無理にピンを狙わなかったのもそうです。難コースを攻略してのV2は、コースマネジメントを含めた総合力の勝利です」

優勝賞金240万ドル(約3.7億円)を手にした笹生は試合後、「家族のサポートなくしてここに立つことはできなかった。ピンポジションが本当に厳しく、どうしようかと思っていたが、これもランカスターがくれたいい経験だと思ってプレーしました」とあふれる涙を拭いながら語った。

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