4パットダボは吉兆だった? 笹生優花が見せた3年前の“再現”

3年前の優勝と状況は似ていた?(撮影/村上航)

◇女子メジャー第2戦◇全米女子オープン presented by アライ 最終日(2日)◇ランカスターCC(ペンシルベニア州)◇6583yd(パー70)

並みの22歳なら、その時点でゲームが崩れてもおかしくなかった。しかし、笹生優花は史上最年少に並ぶ19歳11カ月17日でこのビッグタイトルを掲げた選手だ。

「そういうことは、いつも起こると思っている」と言ったのは、6番(パー3)のプレー。右からのロングパットがショートし、1.2mのパーパットはカップの右を抜けた。返しも蹴られて4パットのダブルボギー。紛れもない痛恨の場面を「2021年もそうだった。ダブルボギーは幸運だと思う」と笑い飛ばす。3年前の優勝も最終日2番のダブルボギーから始まった。

9番を終えた時点で、前半をプレー中だった首位のミンジー・リー(オーストラリア)とは5打差。この数字も3年前とリンクする。当時は5打のリードを持っていたレキシー・トンプソンがスコアを落としたスキを逃さず浮上。畑岡奈紗とのプレーオフに持ち込んで勝った。

最終18番を多くのギャラリーが取り囲んだ(撮影/村上航)

何が起こるか分からないことは、身を持って知っている。手前のクリーク(小川)も気になる右ピンを攻めて3m強を流し込んだ12番(パー3)、3打目のウェッジショットをピタリと絡めた13番(パー5)で2連続バーディ。15番も奥のピンまで突っ込み、ティイングエリアが前に出た16番は3Wで1オンに成功して獲った。5ホールで4バーディとたたみかけて単独首位に立っても、「最終ホールまで(勝てるとは)思わなかった」と冷静に勝負に徹した。

幕切れの瞬間も、3年前と同じように涙があふれた。「2021年に優勝してから、ずっと勝てなかった。長い間待ったから、特別な意味がある」と言った後で「(1勝目と2勝目を)比べちゃいけないんじゃないかな。全く一緒じゃないし、どちらもいい思い出になるんじゃないかな」。人生で最高の瞬間をもう一度味わえた喜びがあふれた。(ペンシルベニア州ランカスター/亀山泰宏)

勝利を確信してガッツポーズ(撮影/村上航)
橋を渡る(撮影/村上航)
赤い花(撮影/村上航)

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