旧魚の町団地 入居希望者らが見学会 「愛される場所」話し合うワークショップも 長崎

昭和の雰囲気を漂わせる団地内の部屋を見学する参加者=長崎市魚の町

 現存する戦後最古の団地の一つ、長崎市の旧県営魚の町団地で1日、入居希望者らを対象に現地見学会が開かれた。長崎市役所でワークショップもあり、約40人の参加者は「みんなに愛される場所」にするための活用策などを話し合った。
 県住宅課によると、建物は鉄筋コンクリート造り4階建てで1949年完成。今年4月、長崎市出身の伊東優さん(37)が代表を務める1級建築士事務所「ツキノワ合同会社」(山形県)が、1~3階部分の運営を担う事業者に決まった。
 同社の計画では、希望者に転貸する「サブリース」方式を採用。1階をシェアキッチンやコワーキングスペースとして活用し、2、3階(各6戸)を貸し出す。年内の貸し出し開始を目指す。
 見学会などは産学官でつくる任意団体「長崎ビンテージビルヂング」(会長・安武敦子長崎大工学部教授)との共催。参加者は安武会長から説明を聞いた後、昭和の雰囲気を漂わせる部屋などを見学した。
 長崎市役所に会場を移し、伊東さんが計画の概要を説明。「長崎をより良くしたい人が集まる、まちづくりの拠点にできれば」と思いを語った。引き続きグループに分かれ、活用の可能性や自身が取り組みたいことを話し合った。
 参加した同市の会社員、上野愛美さん(24)は「親子向けのカフェを開きたい。昔ながらのキッチンや屋上の雰囲気が良かった。いろいろな世代が交流できる場になれば」と話した。

© 株式会社長崎新聞社