絶景棚田、地元のグルメ満喫 九州オルレ「松浦・福島」 登りが続く逆コース

「土谷棚田」の展望所付近を歩く参加者=松浦市福島町

 韓国・済州島発祥のトレッキングコース「九州オルレ」の「松浦・福島コース」を歩くイベントが25日、長崎県松浦市福島町であり、県内外から参加した約200人が海山や集落の路地などさまざまな風景を満喫した。
 「オルレ」は韓国語で「通りから家に通じる狭い路地」との意味。九州オルレは「済州オルレ」の姉妹版で、7県に18コースある。県内は南島原市、島原市、松浦市の3カ所。
 松浦・福島コースは3月に認定1周年を迎えた。中上級者向けの約10キロでアップダウンが続く。日本の棚田百選「土谷棚田」の展望所がゴールだが、夕景を楽しみに来る観光客との混雑を防ぐため、今回は棚田をスタートして、逆のコースを楽しんだ。

参加者は赤と青のリボンや矢印の標識を頼りにコースを歩く

 晴天の下、参加者は午前11時ごろ、棚田の絶景を横目に歩き始めた。道中にある済州オルレ公式の赤と青のリボン約400個に、64カ所の矢印の標識が目印。逆コースは登りが長く感じられ、「かなり上級向けだ」とうなるファンもいた。

旧養源小でにゅうめんのおもてなしを受ける参加者=松浦市福島町

 中盤、木造校舎が残る旧養源小そばでは地元のいりこでだしをとった「にゅうめん」に炊き込みご飯、終盤の大山展望所では町内で親しまれている「石垣だんご」など地域住民らのおもてなしも。イベントとは別に、韓国からオルレのツアー客が約50人訪れており、道中で交流するシーンも多く見られた。
 防犯や交通マナーのPRも兼ねて松浦署員8人も参加。刑事生活安全課の佐藤航平さん(25)は「きつかったけど、島の歴史など学びがあって楽しい時間だった」と話した。

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