口や手足に発疹…夏に多い感染症「手足口病」全国で既に増加傾向、福井県はコロナ流行前以来の警報超え

手足口病の福井県内感染者の推移

 乳幼児を中心に夏の流行が多い手足口病で、福井県内の感染者数が梅雨前に高い水準になっている。5月20~26日の1週間に定点医療機関から報告された感染者数は8.08人となり、国が定める警報基準の5.0人を上回っている。警報基準を超えるのは全国的に大流行した2019年の9月2~8日以来で、福井県などは手洗い、消毒などの予防徹底を呼びかけている。

 手足口病は、口の粘膜や手足などに水疱(すいほう)性の発疹が出るウイルス感染症で、発熱を伴う。症状は通常数日で治るが、原因ウイルスは感染後2~4週間にわたって排出され、便などにも含まれるため保育施設などで集団感染が起きやすい。

 県感染症発生動向調査速報によると、1定点当たりの感染者数は4月8~14日に0.76人だったが、5月13~19日は7.64人と1カ月余りで急増し、警報基準を超えた。

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 5月20~26日の感染者数を地域別にみると、丹南が14.40人で最も多く、二州11.00人、坂井・あわら10.67人と続いた。年齢別では1~2歳が7割近くを占めている。

 県は5月22日付で保育施設や市町などに注意を促す通知を出した。県保健予防課は「例年の流行ピークは7月下旬ごろだが、今年は既に全国的に増加傾向がみられる。今後さらに流行拡大も懸念され、手洗いの徹底やおむつの適切な処理などを心がけてほしい」と呼びかける。

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