バングラデシュの少数民族支援 小学校運営に協力を NGO、クラファンで募る

授業する現地の小学校の様子(提供写真)

 バングラデシュ南東部のコックスバザールで、仏教徒少数民族ラカイン族など同国の貧しい子ども向けに小学校を運営する非政府組織(NGO)「サザンペン」が、クラウドファンディング(CF)で、盗まれた扇風機の被害回復や教員の給与増額といった支援金を募っている。

 同NGOは約30年前にラカイン族などを支援する目的で設立。旅行作家の下川裕治さん(69)=東京都杉並区=が代表を務め、日本と同国の計約30人で小学校運営や同国の留学生の受け入れなどに取り組んでいる。

 月額制の寄付を受けて支援を続けてきたが、同校に設置していた扇風機やコード類が盗まれた。暑い夏を乗り切り、盗難で中止しているコンピューターの授業を再開しようと、CFの実施を決めた。

 目標額は200万円。盗難防止のための鉄格子と扇風機10台の設置費用に充てる。同国の物価が高騰していることを受け、教員の給与増額にも活用する。

 下川代表は「日本の学校の良さを伝えるために支援を始めた。お金がないから支援をやめるのではなく、国内の景気が悪くなっても何とか続けたい」と協力を呼びかけている。

 寄付は7月13日まで。CFサイト「キャンプファイヤー」(https://camp-fire.jp/projects/view/750052)で、5千円から受け付ける。金額によって下川さんのエッセーや、現地訪問時の案内などの返礼品を用意している。

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